れんれん

チョコレートのれんれんのネタバレレビュー・内容・結末

チョコレート(2001年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ラストの解釈は様々あろうが、名作だと思う。

ビリー・ボブ・ソーントン演じる死刑執行人が、親の代から受け継がれ、自らに食い込んだ、根強い黒人差別とDV的発想でしか女性を愛せないという意識を振り払うきっかけとなったのが、息子の自死。しかも、自分の押し付けたマッチョイズムが原因で、目の前で銃による自殺。でも、こんなことでもないと変わらないのも本当だろうし、見方によっては、この男がそれくらいのことで変わるだろうか、とも思う。

ハル・ベリーが、自分の旦那の死刑を執行した男と、ともに歩む選択をしたのはなぜなのか。経済力? 彼は仕事で死刑執行しただけだから? 子を失った絆を持つパートナーにはそうそう巡り会えないから? それとも愛情?

どれも本当かもしれないし、反面、それを本当と思う気持ちの糸は、また切れるかもしれない。しかし、「セックスさせなかった妻」を呪い続け、差別感情を振り撒いて死んでいく父のようにだけはなりたくない、と思い続ければ、その糸は切れることがないんじゃないか、と思うし、そう祈る。
れんれん

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