アニマル泉

新学期・操行ゼロのアニマル泉のレビュー・感想・評価

新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)
5.0
ジャン・ヴィゴは戦う。映画で世界とどこまで戦えるか?その孤高で美しく痛ましい戦いが本作である。
ヴィゴは感覚的である。ワンカットに直感的な強さがある。
ヴィゴは自由だ。制度を放棄するアナキストである。
ヴィゴは狂気だ。その心の闇の深さは計り知れない。
ヴィゴには予感がある。見る者を動かす力がある。
子供たちが素晴らしい。夜の寄宿舎、教室、課外授業、それぞれの場面の集団行為が危なっかしく、可笑しく、リリカルだ。
反対に大人たちは無能で愚かである。
神話的な羽毛が散乱する枕投げの場面の、あの恐るべき官能と何かの予感、絶対的なイメージと美しさは、もしかしたら奇跡的に見てしまった「映画の断面」なのかもしれない。
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