漫然とタイトルロールを眺めていてびっくり。
原作、ブルース・チャトウインですって!
そもそも今回の「ヘルツオークは80歳になる」特集上映に目が行ったのは、スクリーンで久しぶりに彼に再会した『歩いて見た世界 ブルース・チャトウインの足跡』に痺れたから。
そこからチャトウインの読み直し、ニコラス・シャイクスピアの分厚い評伝も読んだし。
もちろんヘルツオーク自身の『氷上旅日記』は以前からのお気に入りだしね。
で、今回の特集では8本上映のうち半分も未見の作品があって、どうせならと事前情報を入れずに映画館に通っているのだけれど・・。
そうか、チャトウインがガーナ(だったと思うのですが)で映画撮ってるヘルツオークを訪ねて(たぶん病もだいぶ進んだころ)キンスキーの芝居に文句をつけたのはこの映画だったのか!
クラウス・キンスキーの大仰な、狐憑きみたいな芝居は毎度のことで、まあ好きなんだけど、この映画は脚本も撮影も編集もそれぞれが憑き物に執り付かれて破綻してしまっている。
たまたま映画館で一緒になった友人は「キンスキーの映画って全部こうですねえ」と
感に堪えたように嘆息してたけど、チャトウインとの「再会」に個人的には大満足。