tacky

フォレスト・ガンプ/一期一会のtackyのレビュー・感想・評価

4.0
純粋無垢な人が、そのまま変わらずに歩んでいくと、この作品になる。名作です。

アメリカが激動の歴史を歩み始める60年後半から70年代を、ひとりの純粋無垢な人間の歩みを通じて描き、エルビスから、アートロック、サザンロック、ウエストコーストなど素晴らしい音楽で綴った、一代叙情詩である。

実は今回二度目の鑑賞になり、初見は20年以上前に、何も考えずただ感動していたのだが、今回その間にウェイン町山氏の酷評などを知ってしまった為、少し違った感想を持ってしまった。

アメリカはベトナム戦争以後、二つに分裂したのだが、フォレストは常に体制側にいて、純粋無垢ないい人物に描かれている。

監督も明言しているが、対してジェニーは「アンチテーゼ」として、反体制側の人間で、非常に勝手気ままな人物で、幼少期の虐待のトラウマや何事も完遂できず、感染症(映画内では病名を特定していないが)で死ぬ。
しかも、友人達はブラックパンサー等のこの当時の運動員ばかりである。

これは意図的だとしたら、非常に見過ごせない事実である。そうなると、フォレストのやる事なす事が、すべて上手くいく事が怖くなった、

そんな事考えずに観る事が大事だと思うのだが、今回ジェニーがあまりに酷い人物として描かれていることに気づいた為、手放しで絶賛出来なかった。
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