ミーハー女子大生

スパイダーマン2のミーハー女子大生のネタバレレビュー・内容・結末

スパイダーマン2(2004年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

再鑑賞です。

前作の名場面をアニメ・タッチで描き、ばっちりテーマ曲に合わせてダイジェストのように見せてくれる本作のオープニングはとにかくかっこいい!
これがホントよく出来ていて最初から感動してしまいます。
ファンとしてはうれしい演出です。

本作ではとにかくサム・ライミの手腕が発揮された作品だといえるでしょう。
元々ホラー映画出身の監督だけに、それを思わせる演出がいくつか見られました。
私が一番恐怖を感じたのは、ドック・オクが病院に運ばれて手術を受けるシーンです。
影の演出や医療器具が凶器となってしまう様、悲鳴を上げまくる看護婦など、このシーンは明らかにホラー色が強く、見ていて思わず力が入るものになっています。

そのままダーク系で進んでいくのかと思いきや、今度は突然『雨に濡れても』が流れて、めちゃくちゃ爽やかなシーンを挿入したりと、とても明暗のはっきりした作品になっています。
しかしそんな演出があったからこそ、本作の見所となる人間関係を完璧に描くことができたのではないでしょうか。

前作で中途半端に終わったピーターとMJの恋、スパイダーマンとハリーの確執などストーリーの流れは全て引き継いだものになっています。
更にドック・オクの悲哀感溢れるストーリーも絡んでとても内容が濃いです。

今回、スパイダーマンことピーターは自分がスパイダーマンであることでMJとの恋を諦めなければならないというとても辛い役どころです。
あまりに辛い恋の悩みのせいで一時的にクモの能力を失ってしまい、本来の生活に戻ろうとします。

しかしその間も世の中では犯罪が多発し自分のやるべきことは何なのか悩み続けます。
このあたりの複雑な感情がとても丁寧に描かれているためとても感情移入しやすいでしょう。
スパイダーマンの感情には普通の人間らしさが溢れているため今までのヒーローものよりおもしろさを感じます。
やっぱりこのシリーズはストーリーがしっかりしてるなと再確認できました。

もちろん、見所であるアクションも前作より遥かに進歩していることに驚かされます。
相変わらず高層ビルを使ってのアクションがメインですが、ホントうまいこと利用しているなと。
特にあの電車を止めるシーンはスパイダーマンの能力をフルに活かした演出です。
その直後に市民にマスクの下の顔を見られてしまうのですが、このシーンはなんだかとても感動してしまいました。
辛いことをたくさん抱えているピーターですが、この瞬間自分のやるべきことが市民を守ることだということを実感させられたはずです。

「大いなる力には、大いなる責任が伴う」

まさにベンおじさんが残したこの言葉の全てが集約されているシーンであると思います。

ストーリー 4
演出 4
音楽 4
印象 4
独創性 4
関心度 5
総合 4.1