yunumata

ゴジラのyunumataのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
5.0
作業次いでに流し見しようと思っていたけれど、最後まで食い入るように観てしまった。東京を激烈な災害が押し寄せる恐怖のリアリティ! 無駄のない展開、交錯する名も無き人々のドラマ、そして破壊と殺戮の限りをつくす……怪獣の恐ろしいこと。60年前の映画とはとても思えない、身の毛のよだつような作品だった。そして最後はなぜかかなしい……そのバランス感覚、作家のメッセージ性の強烈さは、めまいがするほど素晴らしくて、嫉妬すら覚えてしまう。日本人って、というか人間って、こんなスケールのフィクションを作り出すことができるんだぜ、という勇気さえ沸き立つのだ。はー、すごいねぇ……。
大学時代に観てから、たぶん8年ぶりくらいの鑑賞だったけれど、その時以上の衝撃があったのは、やっぱり311を経験したからだと思う。「戦後」が生み出したこのリアリティを、いま再び、新しい形にしてこの世界に立ち向かわないといけないのだと思います。

TV放映(2016.07)
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