yunumataさんの映画レビュー・感想・評価

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海獣の子供(2018年製作の映画)

5.0

映画史に残るラスト30分。日本アニメーションの集大成。
これを見ずに2019年の映画は語れないと思う。

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

4.5

原作を知らない方が観れば、両手を上げて降参するくらいの紛れも無い傑作だし、原作ファンからしても「よくもまぁ、こんなに難しい作品を!」って、携わった全ての方に労いの握手と抱擁を交わしたくなるような作品。>>続きを読む

未来のミライ(2018年製作の映画)

3.5

やっぱり僕は細田守が好きだ。『おおかみこどもの雨と雪』で見せたような、「シナリオ」という箱が解体され、単なるシーンの連なりにまで崩されていくあの独特の、とても映画的な構造。それが今作では思いっきり発揮>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.0

三谷幸喜が嫉妬しそうな極上コメディ。「自主制作」感を逆手にとったインディっぷりを「底辺で踏みとどまっている人々」に投影させ、そんな(とても丁寧に描かれる)愛おしい彼らの生活や想いが混ざり合いながら、ス>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

5.0

圧倒的にすごい。『誰も知らない』は確かに名画だったけれど、『花よりもなほ』やら『海街diary』みたいなユルい映画撮ってた人と同じ監督とは思えない(笑)くらい、世間への噛みつかんばかりの敵意や怒り、睨>>続きを読む

ちえりとチェリー(2015年製作の映画)

4.0

島田満先生最後のゼミ同窓生と鑑賞。やっぱりどうしても、今となっては平静に見れないところもあって、あちこちの示唆的な言葉や比喩や展開が、先生からの遺言のように思えてしまい、その姿をちえりと一緒に追いかけ>>続きを読む

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

4.5

あれま!登録していなかった。会員証更新する数合わせで観たんだけど、想像以上の傑作だった。ナショナリスティックな目線ですが、こんな映画を海外のスタジオに作られたのはちょっと悔しい!
世界で1億3000万
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さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

4.0

これは大人になってから思い付いた内容じゃないなぁ……厨二ハート入ってるなぁ……と楽しみつつ、とにかく素晴らしい絵コンテや演出、作画を楽しむことが出来た作品。ストーリーについては、「寿命がヒトより長く少>>続きを読む

ユートピア(2018年製作の映画)

4.0

製作に10年間が費やされたVFX満載の現代ファンタジー。「ハーメルンの笛吹き」をモチーフに、電気を失った東京で異世界人たちの攻防が繰り広げられる……という内容を、ほぼメイン数人でインディーズ製作した規>>続きを読む

村田朋泰特集ー夢の記憶装置(2017年製作の映画)

4.5

村田朋泰の特集上映。冒頭の「家族デッキ」から圧倒的なフィルム力をまざまざと見せつけられる。二階の窓を開けて、春の日差しと風が吹き抜けて、お母さんは寝坊助のお姉ちゃんを布団の上からポンと一回たたく。はー>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

4.0

とにかく寡黙で、ストイックで、シンプルな映画だったのがとても良かった。『インターステラー』と違って、見終えたあとに残るものが特にない(笑)けれど、終始観ている人間を振り回し、翻弄し、錯覚させ、脳味噌を>>続きを読む

きみの声をとどけたい(2017年製作の映画)

2.0

予告編で感じた、「実はすごくいい映画かも…」みたいな希望を、木っ端微塵に打ち砕かれてしまった。「映画の嘘」の付き方がとにかく下手で、不法侵入でしょ? 土地の権利どうなってんの? 権力者すぎでしょ君? >>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

4.5

めちゃめちゃ良かった~!すごかった。何でこれ評判悪いの? もし後半でビックリしているんだったら、『ルーのうた』なんて観たら途中で失神しちゃうんじゃないのか?
ふつう、こういう分岐ループものの物語は、選
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.5

傑作『インターステラー』を彷彿とさせるような、普段着を着た人々が、知恵と想いを絞り出して宇宙と呼吸する素晴らしいSF映画。とても丁寧で、ミステリアスで、知的で、わくわくする手触りが画面から光になって溢>>続きを読む

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

3.5

魅力的なシーンやセリフ、メッセージは沢山あったけれど、それ以上にやりたいことが多すぎて、全体的にごちゃごちゃしている作品。予告にあるような「少年との交流!感動作!」みたいな内容よりずっと重層的な証明で>>続きを読む

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

5.0

傑作。とにかく傑作。今年はこれ以上の映画を観られる気がしない。最高!! ああ、最高の脚本、最高の役者、最高の音楽、最高のアニメート、最高のユーモア、そして極上の演出。前代未聞すぎる圧巻のクライマックス>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.5

ミュージカル映画は好きなものが多いので、どうしても厳しめの評価になってしまうのですが(それこそ劇中のセバスチャンみたいに)、いわゆる「ミュージカル的なもの」を入れ子にしてメタファーに変えている作品なの>>続きを読む

マイマイ新子と千年の魔法(2009年製作の映画)

5.0

映画館、レンタルDVD、と既に鑑賞していたけれど、数年ぶりに観て、やっぱりこれは傑作だと思った。温かな世界観、鮮やかな舞台設定、軽やかかつ早すぎないテンポ、そしてあまりにも魅力的な登場人物たち。子ども>>続きを読む

アリーテ姫(2000年製作の映画)

3.5

テーマがいい。徹底的に、手を動かし・物を作り出すということに極端なまでのヒエラルキーが設定されていて、虚飾を否定し、地べたを這いつくばって生きてゆくことを力強く肯定している。そして最大の魔法とは、人間>>続きを読む

転校生 -さよなら あなた-(2007年製作の映画)

4.0

衝撃。とにかく衝撃。まだ震えが止まらない。ひらの君から「『転校生』のリメイクは『君の名は。』へのアンサーだ」って言われなければ観てすらいないし、そもそも勧められるままに借りてきた『時をかける少女』も『>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.5

思っていたイメージと違った。想像していたよりずっと、はち切れそうなくらい情熱的な映画だった。
描写はわりと淡々と、けれど内なる炎は激しく……みたいな映画だと勝手に信じて観に行ったけれど、その気迫と情熱
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

4.5

冒頭の超有名ロックナンバーに度肝を抜かれ、まさかの「怪獣のバラード」にハート揺さぶられ、あとはもう、涙、涙……。「生きていてはいけない。早く死んだ方がいいよね!」って想いを、どうしてここまで忠実かつ見>>続きを読む

フライド・グリーン・トマト(1991年製作の映画)

5.0

アレッ、と思ったら、おばあちゃん役がマイ・ベスト・洋画である『ドライビング Miss デイジー』のジェシカ・タンディだった。それだけでツボなのに、もう……もうルース×イジー最高か……特にイジー(メアリ>>続きを読む

月に囚われた男(2009年製作の映画)

4.0

期待以上だった。「エッ!」となる序盤のプロットポイントで、ホラー観てしまっているのかと思ったら……そこからさらに、スタンダードなSF的展開になってゆく。血の通った人間味をスパイスに使っているのがなんだ>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「もし君があの時、あの日の朝の陸前高田市に戻れたとして、君には一体何が出来たのだろう?」なんて、無意味すぎるifだし、とても残酷な問いかけだと思う。この映画の本当にやろうとしていること……に気づかされ>>続きを読む

めまい(1958年製作の映画)

3.0

人生2本目のヒッチコック作品。緊張感を煽る演出やカメラアングルはさすが(たぶん)で、今観ても色褪せるものがない。一方でサスペンスのドラマ部分については、さすがに『裏窓』と比べると個人的には鋭さに欠けて>>続きを読む

酔いがさめたら、うちに帰ろう。(2010年製作の映画)

4.0

なんか、観るまで全然期待していなかったけれど、意外なくらい良かった……。とにかく一つ一つの写し方が丁寧だ。病院に担ぎ込まれるまでの描写も、病棟の違いの小さなディティールも、カラー原画の着彩方法まで……>>続きを読む

ディア・ドクター(2009年製作の映画)

2.5

うーん……苦手なタイプだった。あと一歩、核心に踏み込んでくれないようなもどかしさ。示唆には富んでいると思うので、もうこういう、ふにゃっとした作風の監督さんなのだろう。ラストシーンの無意味すぎる、救いな>>続きを読む

ゴジラ(1984年製作の映画)

2.5

あちこちで『シン・ゴジラ』と比較されているので、録画したものを先に鑑賞。しかし比較とかそれ以前に、どこからアレな所を指摘していけばいいのか……(脚本が、客層をナメてる気がする)。でも特撮シーンはどれも>>続きを読む

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)

4.0

久々の鑑賞。最後のドキュメンタリー部分が突き刺さって離れないけれど、映画本編のメッセージとはそれほど繋がりがないような気もする。ただただ、見届けなければならない、という気持ちにさせるような、敗北してゆ>>続きを読む

翼よ!あれが巴里の灯だ(1957年製作の映画)

4.0

組み立てられてゆく飛行機の丁寧な描写、そして空撮の風景がどれも瑞々しくて素晴らしい。飛び立つ段階で映画の尺が残り半分もあって、どうするんだろうと思っていたけれど……。ストーリー的には淡々と進んでゆく味>>続きを読む

八日目の蝉(2011年製作の映画)

3.5

あと1日だけ生きてみたら、今日まで見れなかった景色をもうひとつ増やせるかもしれないよ? というメッセージが、セリフ以上に、物語以上に、蒼い棚田と燃える灯り……たったワンシーンで強烈に観る者に焼き付けて>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.0

初・庵野秀明作品だった。とても期待して観に行ったけれど! 出てきたのは延々と「踊る大捜査線」(のレベルが高いやつ)、そしてテレビゲームのようなドンパチ。初代ゴジラで僕がとても好きだったところって、戦後>>続きを読む

es [エス](2001年製作の映画)

4.5

スタンフォード監獄実験のドキュメンタリーを観て久々に思い出し、大昔の録画データを引っ張り出した。はーおもしれー超おもしろい……。次々にタガが外れていくその狂気は、鑑賞者のサディズムをぞんぶんに満たして>>続きを読む

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