これは大人になってから思い付いた内容じゃないなぁ……厨二ハート入ってるなぁ……と楽しみつつ、とにかく素晴らしい絵コンテや演出、作画を楽しむことが出来た作品。ストーリーについては、「寿命がヒトより長く少女からほとんど成長しない種族」の少女が子どもを育てて、しかし子どもが20代くらいの段階で話をほぼ終えてしまうという、ちょっと前例が無さすぎる難しいテーマに果敢に挑まれていて、感動するというより伝記物に近い感じの、やや距離が置かれたまま読みとくような感覚があった。ふつう「バカっ！自分勝手なこと言いやがって！男の子を縛って楽しいのかよ！」みたいな気持ちになるところも、寿命が違う別種族……となると途端に神話性を帯びてきて、果たして人間に彼女の気持ちが解るのかな、僕に理解できることじゃないのかもしれないな、と思えたりして……。ほんとに、すごくハイレベルなテーマに綿密に挑んだ作品だったと思う。クライマックスも自分にはクド過ぎたけれど、物語的にはやっておかないといけない箇所なんだよな。
いや～しかし地味な映画です……。何か大人気ファンタジーシリーズのスピンオフをさらにスピンオフしたみたいな内容だったというか。本編でちょろっと出てきた長老が1000年前に愛したエルフのその若い頃の物語、みたいな……。あ！主題歌とエンディングがとても良かったです。
