tama

カリスマのtamaのネタバレレビュー・内容・結末

カリスマ(1999年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「特別な木なんでどこにもなかったし、森全体というものもなかった。ただ、あっちこっちに平凡な木が一本ずつ生えている、それだけだ」
その一本ずつはそれぞれ生きていくために他を殺し、法や秩序や法則もまた一本ずつ生えていて、それを巡って殺し合う。自然にあるがままに、ってそういうことだ、という監督の主張と思われた。それが良いとか悪いとかは言及せず。あるがままにするとそこにあるのはカオスな殺し合い。そりゃそうなんだが、オチはよく考えると単純過ぎて微妙。でも誰かがこれがカリスマだといえば無価値なものにも価値が出て、それを巡って取り合う人間たちの描写は良かったし、黒沢清の映画の中で結局一番記憶に残る最も好きな作品になっている。
tama

tama