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ある男のtamaのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
2.8
もっとミステリー重きの「ある男」とは誰なのかを最後まで探る映画かと思って観たんだけど、そこは割と問題ではなく、本名というか戸籍を捨てたくなる、とはどういうことかがメインストーリーだった。
自分ではどうにもできない「生まれ」にまとわりつく差別や偏見に苦しむ人たち、或いは「生まれ」のせいで人生の自由がなくなった人たちの話だ。
捕らわれているのは周りであり、本人であり。
名を捨てる、名を拾う、アイデンティティの危うさと同時に強固さも垣間見える、出口の見えない話だったけど、出口のない問題だからこれで良かったと思う。
ラストシーンが色々集約されていた気がする。
捨てて拾ってができるものできないもの、について考えてしまう。いいか悪いかは別として。
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