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塔の上のラプンツェルのよーだ育休準備中のレビュー・感想・評価

塔の上のラプンツェル(2010年製作の映画)
4.0
緊急事態宣言が発令され、外出自粛を余儀なくされている現下の社会情勢にピタリと当てはまる作品。18年もの長い間stayhome(tower)しているのに明るく前向きなラプンツェルは本当に凄い。この状況だから凄さが身に染みてわかる。
「いつまで続くの〜」と歌う「When Will My Life Begin?」は世界中の人々の切実な気持ちではなかろうか。

ディズニー長編アニメ50作目の今作。さすがはディズニー、美術・色彩が美しい。ラプンツェルが描いた塔の中の絵画や、「I See The Light」で盛り上がるロマンチックなランタンのシーンは特に印象的。

ラプンツェルは数あるプリンセスの中でもトップを争う不遇っぷり。本人の自覚はないだろうけど、誘拐犯に18年も幽閉されて。それでも素直で優しく、前向きな姿勢(塔から抜け出た直後は激しい躁鬱状態にあったが)はキャラクターとして本当に魅力的。人気があるのもうなずける。

「When Will My Life Begin?」の曲が象徴している作品だと感じる。フリンと出会い初めて自由を手に入れたラプンツェル。ラプンツェルと出会い、ユージーンの名を初めて晒したフリン。2人と出会い、夢を叶えた悪役面の諸君。各々が自身の本当の生き方を見つけたんだなぁと。
この曲は吹き替えよりも原曲の方がティーンエイジャー感が出ていて好み。

脇を固めるパスカルやマクシミリアンといった動物キャラもコミカルで好き。各カットで本当にいい味を出している。

ラプンツェルがまだ産まれたばかりのシーン。ベッドメリーについているのが「カメレオン」「天使」「アヒル」「白馬」と、今後登場するキャラとリンクされているのも粋。細かいところにも拘りを感じる。