チッコーネ

-less [レス]のチッコーネのレビュー・感想・評価

-less [レス](2003年製作の映画)
3.0
ほぼワンシチュエーションのホラー。
冒頭からリーランド・パーマーが出てくるのがうれしい(彼の妻の名はローラ、終盤では彼自身の死体がビニールに包まれるなど『ツイン・ピークス』へのオマージュが、結構感じられる)。
脚本はまぁまぁ、最後のメモだけちょっとした余韻を残す。
何より本作の美点はシュールなユーモア感覚にあり、前半では反抗期の悪ガキが、その発露を一身に背負う。
彼のパンク的シニシズムは、ニュークイア・フィルムというか…、グレッグ・アラキ作品のキャラクターと親和性が高い(アンチゲイだが)。
後半に炸裂する中年女のヒステリーも笑えた。

フランスでは相手にされず、わざわざ売り込んだアメリカで制作に漕ぎつけた監督チームの努力は素晴らしいが、以降の活動がパッとしないのは残念。