チッコーネ

悪魔の美しさのチッコーネのレビュー・感想・評価

悪魔の美しさ(1950年製作の映画)
3.5
監督がハリウッドより帰還後に撮った作品だからなのか、70年前の作品とは思えないほどスピーディな編集。
何度となく映画化されているファウスト物語だが、コメディタッチやトリッキーな演出も相俟って、サクサク観進められる。

メインキャストふたりも快演。
ジェラールは冒頭、老人からのメタモフォゼを感じさせたうえで、無理なく若者像へ移行。
ミシェル・シモンの変幻自在な演技は舞台叩き上げの実力に裏打ちされ、揺るぎなく安定していた。
黒煙を上げる街の様子や、煙に巻かれる大量エキストラの様子は合成なのだろうか?
いずれにせよクライマックスの喧騒はなかなかの迫力。