ジャン黒糖

ゴーストバスターズのジャン黒糖のレビュー・感想・評価

ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)
3.5
言わずと知れたシリーズ『ゴーストバスターズ』
アマプラで最新作配信開始に伴いシリーズ一気見!
(といいつつ例によって投稿はだいぶあとになってしまった〜)


『ゴーストバスターズ』
言わずと知れたシリーズであり、当然自分も幼い頃にテレビで観たことがある。
ゴーストのヴィジュアルは冒頭図書館に出現する老婆のゴーストが怖く、初めて観た当時は幼いながらに愉快で楽しくもあるけど、場面によっては怖い!と思った。
また、女たらしなピーター・ヴェンクマンとヒロインのディナ・バレットの付かず離れずな恋模様も、当時子供としてはちょっと大人の世界を覗き見ている気がした笑

それもあってか、同時代的には『バックトゥザ・フューチャー』や『ダイ・ハード』ほど何度も見直した訳でもなく、また90年生まれの自分的には『ホームアローン』のように成長と共に何度も見直してきた作品ではないので、正直思い入れの薄いシリーズではあった。

また、2016年のポール・フェイグ監督版リブートが出たときにも1作目2作目を見直してはいたものの、それから6年経ったいま、雰囲気は覚えてても細かいところはあまり覚えてないな…と…笑
ということで今回また改めて見直し、感想残しておくことで記憶に留めておこうかと…。


なるほどなるほど。
いや〜これはいまさら言うまでもなく、主演4人の魅力あってこその、いまなお普遍的に人気のあるシリーズだったなと再認識。
もちろん、当時のVFXを駆使したゴーストのキモおかしいビジュアル、レイ・パーカーJrのあまりに有名なタイトル曲、サイレン音が特徴的な霊柩車を元にしたエクトワン、捕獲ビームをはじめとするゴースト退治に必要なガジェットの数々など、挙げたらキリがないほどこの映画が生み出したアイテムは多く、映画史のみならずサブカルチャー史に与えたインパクトは大きい。

ただ、それは当然として改めて見直してみると、やはりゴーストバスターズの魅力は4人、3人ではなく4人!の個性的なキャラクターがあってこそだなぁと再確認。

女たらしのピーター、真面目不器用のレイ、分析熱心のあまり超近視眼的イゴン、あくまで生活のためにゴースト退治稼業に就職したウィンストン。
この4人のアンサンブルは、すべてが計算されたものではなく、偶然が重なったことで生じる奇跡だった。

元々は『ブルース・ブラザーズ』のジョン・ベルーシがダン・エイクロイドと共に本作に出演する予定でもあったそうだが、ご存じのとおりジョン・ベルーシは撮影前に亡くなってしまい、そこでキャスティングされたのが彼らと同じくサタデーナイトライブ出身のコメディアン、ビル・マーレイだった。
また、イゴン役には様々な俳優がキャスティング候補として挙がっていたものの、最終的には脚本も務めていたハロルド・ライミスに決まり、ウィンストン役には一時はエディ・マーフィの構想もあったところ『ビバリー・ヒルズ・コップ』出演スケジュールと折り合わなかった結果、アーニー・ハドソンに決まった。

破天荒なピーターと、それに手を焼きつつ自分たちも世間からは訝しまれるレイとイゴン、そして彼らの事業に特別想いはないけど生活のためきっちり働こうとするウィンストン。
この、偶然と偶然が重なったキャスティングのよって生じる、この4人だからこその絶妙な組み合わせ、バランスがあってこそゴーストバスターズらしさだなと。


お話そのものは正直ツッコミどころ満載というか、ニューヨークを闊歩するマシュマロマンの異様な光景に代表されるように、そのツッコミどころ自体を楽しむのが本作もうひとつの魅力に思う。
マシュマロマン出現の瞬間なんかは「レイ、お前なんで頭に浮かんだのがそれなんだよ…ってか、デカっ!!!!」と、彼らゴーストバスターズの面々と共につっこまずにはいられない笑


他にもたとえば、ゴーストバスターズの事業を立ち上げたばかりでテレビCMで宣伝をかけるもなかなか顧客がつかず、「お金がない」と嘆くレイが、必要最低限の機能以上にコストのかかったであろう車、エクトワンを作ってんのもウケる笑
いまとなっては映画史的には記憶に残る名車だけれど、「金ない」っていうわりに金のかかった車作ってるやないかーい!という笑


また、門の神ズールに憑依されたディナと、彼女のもとにデートしに来たピーターのやりとりも違和感だらけで笑えるし、破壊神ゴーザの鎮座する舞台なんかは完全にミュージカルの舞台のようで笑ってしまう!
(そこでの4人の会話もバカにしてて最高)

他にも挙げたらキリがないけどディナに想いを寄せる、同じマンションの同フロアに住むルイスのちょっとストーカー気質なところと、それが災いして鍵の神ビンツに憑依されてしまい、結果ズール=ティナと交わることでゴーザを誕生させてしまうところなんか話としてウケる。

この、スケールが大きそうで関係する人物関係はミニマム、当事者的には空恐ろしい騒動のハズなのに笑えてしまうバランス感覚と、それを演じる役者たちのアンサンブル、これぞゴーストバスターズ!!



ただ、まぁ正直、環境保護法を踏み躙ったと訴える謎の男、あいつなんなん?
ゴーストバスターズたちのことを大して調べもせず、あの男が余計な行動をとった結果、そのあとの大惨事に繋がったのは、単なる見せ場づくりのためにしか機能していなかったように見えた。


ただ!
そんなツッコミどころもさておいて!
事件が一件落着し、騒動のあったビルから1人1人出て群衆の前に立ち、手を振るゴーストバスターズたちの姿は、まるで舞台におけるカーテンコールのようだし、そこで流れるレイパーカーJrの主題歌がテンション上がる!!!


ということで、次回はもっと覚えてない『〜2』です!!
ジャン黒糖

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