次男

告白の次男のレビュー・感想・評価

告白(2010年製作の映画)
4.1
「重くて観やすい」という奇跡的な自己矛盾。9年前に「これが最先端かー」と思ったものだけど、9年経ったいま観ても、最先端ぽいんだよなあ、すごい。映画とかドラマの教科書なんて糞食らえ。MVのようなCMのような、ごちゃまぜの感覚で面白い。

一口目から食べ終わるまで、無我夢中で食ったなー。美味しい美味しいって食い終わったけど、なんか「美味しいと思えるギリの量」だったなー。(もうすこし言えば、「あともう少し食べたら気持ち悪くて吐いてた」が『来る』で、多くて吐いちゃったのが『渇き』だったような)

◆◆

当時観たときよりも、松たか子さんの味わい深さに驚く。チャラくない。大きくないし、漫画的じゃないし、作り物っぽくない。冷静に観ていると、過激なことはほとんどしていないことに気づく。

中島さんは、アングルとライティングと編集ですでに芝居をさせてる感じがある。黙って立ってるだけでも「芝居をしてる」っぽくなっちゃう感じ。これで、松さんのお芝居がもっと大きかったら、味が濃すぎて吐いてたと思う。

学生で一番魅力的だったのは、藤原薫さんの直樹。見た目の説得力と、芝居が大きくなってからの中島節との相性がすごい!
お気に入りのシーンのひとつだった、髪切られてからの流れはすごいな!あんなポップに作れて成立してる。

(にしても、未来のスターがたくさんいてびっくりしたなー!橋本愛さんはもちろん、井之脇海さん、能年玲奈さん、三吉彩花さん。びっくり!)

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内容については、あまりダメージを受けなかった、というか、なんでだろう、関心を持てなかった。ハラハラドキドキはするけど、その作りのせいで、フィクション性が強まってたのかもしれない。それとも、「こんな奴おらんやろ」と愚かに他人事なのかもしれない。
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