もっちゃん

道のもっちゃんのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
3.6
ニーノ・ロータのメロディーはどこかで聞いたことあると思ったら、高橋大輔のFPテーマ曲だったのね。落ち着く心地よい音楽。

フェリーニの作品では比較的分かりやすく初心者に持ってこいだと聞いたので鑑賞。確かに分かりやすくて素晴らしかったが、個人的には少し見応えがなかった。テーマがストレートに伝わるから、考えながら見たい人には物足りないかも。

主人公のジェルソミーナは作中では頭の弱い女の子として描かれており、それ故に虐げられているように見えるが、彼女はただ人より純粋で幼いだけなのである。大人の世界を知らない彼女が突然自分の居場所を奪われ、社会に投げ込まれる。
自分は何の役にも立たない存在だという自己嫌悪に陥るのも当然である。学生が新入社員になって間もなくナーバスになるのと一緒である。

そんな時に天使の言葉に救われる。「道端の石ころですら何かの役に立っている」この言葉は何のひねりも無くどストレートな分、万人の心に響くものがある。私もいつかこの言葉に救われる時が来るかもしれない。