タカシサトウ

道のタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

(1954年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

「何とも言えぬ喪失感]

 ジェルソミーナを散々こき使い、はけ口にしていたにも関わらず、置き去りにし、その死を知った途端、愛していたことに気付いてしまったザンパノの悲しさ。何とも言えぬその切なさは、私自身が年を経る毎に強く感じるようになった。

 ザンパノは、ジョルソミーナと一緒に居たかっただろうが、狂っていく彼女を見て怖くなってしまって捨てたのだろう。

 ジェルソミーナを演じるジュリエッタ・マシーナ、消して美人ではないのに愛らしく、切なく、光っている。本当に上手く成り切っている。しかし、フェリーニは、自分の妻を、こんなに頭の弱い女性にあてはめることにためらいはなかったのかと、不思議に思ってしまう程だ。

 ニーノ・ロータの曲もずっと耳に残る。

 やはり、これはフェリーニの最高傑作だろう。(2017.7.17)