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耳をすませばのgcpのレビュー・感想・評価

耳をすませば(1995年製作の映画)
4.0
何も知らない癖して「ジブリきらい」て言い続けてごめんなさい。パンダコパンダはオールタイムベストだし風立ちぬは定期的に観返したいくらいすき。そして耳をすませばも大好きになっちゃった。たしかに捻くれ者にはまぶしすぎるような恋愛であり青春なんだけれど主人公雫の行動が31歳の中年女に響いてしまうのだ。ちょっと何かに長けている人でも「自分みたいな人はたくさんいる」という理由で挑戦せずに大人になってしまったでしょう。内弁慶のわたしもずっとそうだった。自信がないから自分の詩はたいしたことないって装うだけできっと歌うことだって前からすきだったはず。バイオリンとのセッションはそんな恥じらいも吹っ飛ぶくらいの音楽の力を雫の表情から感じられて嬉しくって涙がでた。誰もが抱く劣等感をじぶんで切り開いていくさまは瑞々しくうつくしい。きっかけとなる天沢少年も風のように気持ちがよい人間で、地球屋のじいさんは耳にタコができるくらい言われてきた当たり前のことしか説いてないけれどきっと劣等感への答えはそれが全てな訳だし、挑戦したあとの対応が大切でそれは大人の見本としてずば抜けて良い。何歳になったって今やらなきゃいけないことより大切なことがある、雫のお母さんみたいに。挑戦って結局ひとりだから孤独だなって思うとき耳をすませばカントリーロードが聴こえたらいい。今までとは違って聴こえるようになりました。
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