イルーナ

スパイキッズ2 失われた夢の島のイルーナのレビュー・感想・評価

3.9
【スパイキッズ:史上最低の遊園地】

この前スパイキッズの記事を書いたのですが、そこにつけられたコメント中には「大好きな映画」とか、「ホームアローンと並ぶ子どもが活躍する洋画の代表作」というのがありました。
当時子供だった世代にはかなり思い出深い作品だったらしく、思ったより反響があった……
それだけ愛された作品ですが、続編である本作は予算増えたのか、OSS本部やツリーハウスの描写が結構凝っているし、何より謎の島は盛りだくさん。まあ、明らかに合成感丸出しの場面も少なくないんですがね。
色々な動物が融合したキメラ生物や骸骨剣士はハリーハウゼン風だし、古代遺跡まで出てきてインディ・ジョーンズ風でもある。
つまり、物語の舞台の島の正体は古今東西のSFX映画の歴史。
そうか、「失われた夢の島」とはそういうことだったのか!
この島の博士は自分の生み出したモンスターに食べられると恐れて引きこもっていたけど、勇気を出して外に出てみればみんな懐いていた。
ここはやはり優しい世界でほっこり。

今回スパイキッズ部門が設立された結果ライバルが登場し、尽く手柄を取られたり冷遇されたりで窮地に立たされるカルメン&ジュニという展開なのですが……
何とライバルの指令を書き換えて自分の手柄にしようとする!いくら子供とはいえフツーにヤバいことしてないか?!
それと、前作で被害者だったダナゴン(今作ライバルの父親)がなぜか黒幕化してるんですが……伏線なかったよね?
特に虫型ロボットのラルフ、結構可愛いしこりゃマスコット枠だな!と思わせてからのあの扱いはショックだった……(涙)
今回の舞台が電気の使えない孤島だからって、そりゃないよ……(涙)それなら何故出した?!

そんな本作ですが、個人的に一番好きなのは、冒頭の遊園地のシーンだったりします。
安全性ガン無視の絶叫マシンの数々!というか絶対殺す気でしょw
回転コースター「ゲロンパ」は原題では「VOMITER」で嘔吐者……しかも装飾までゲロ吐いてるし、完全にゲロ吐かせること前提に作っとるがな!
特に「ザ・ジャグラー」はヤバいなんてレベルじゃない。客の入ったカプセルを法定速度ギリギリで回転させてお手玉するという……w
この部分はぜひとも空想科学読本シリーズで考察してほしい。
というか最初に観た時、真っ先にとしまえんのエイプリルフール広告「史上最低の遊園地」を思い出して、この遊園地版「史上最低の遊園地」のパロディ落書きを描いたくらい。
正直こちらの方がインパクトが強烈な上に、オリジナリティあるので舞台にしてほしかったレベル。
としまえん、史上最低の遊園地同士ということでこの映画とコラボしてほしかったなぁ……

追記
前作と比べてかなりスケール感が増したので、予算が相当増えたんだなと思っていたら、100万ドル程度しか上がってないらしい。
しかしコストをかけずともクリエイティブさを発揮するのは、さすがロドリゲスだ!

アニヲタwikiにまとめた記事
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/55077.html
イルーナ

イルーナ