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スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナスの3104のレビュー・感想・評価

3.3
「サーガ」の劈頭を飾るのはこの作品。
いわゆる「新3部作」(いや新作公開に伴い「アナキン3部作」といったほうが適切か)の1作目でもある。

「序破急」という言葉がある。
能や狂言で用いられる構成区分のことで、それぞれが指す内容は読んで字の如し。
SWの各3部作にもこれが当てはまるといってもいい。
とすれば今作は「序」に当たる。
アナキンが子供の頃の物語。全体を覆う空気もまだいくらかはのどかなもの。
ただその空気感のせいで今作が次作以降、「旧3部作」も含めての5作品と比べどこか隔絶した印象を与える要因になっているのではと思う。

旧3部作の後にこれを観たとき「この調子でちゃんと『新たなる希望』につながるのか?」と不安な気持ちになった。それは前述の空気感に加え、物語の進捗の度合いの緩やかさに危機感を覚えたからに他ならない。また単品として観たときの完成度、いや単純に「面白さ」が期待を下回ったのも不安を加速させた大きな要因である。

役者やキャラは一応立っている。
リーアム・ニーソン演じるクワイ=ガン・ジンの落ち着きぶり、美しきナタリー・ポートマン(&影武者キーラ・ナイトレイ)、ライトセイバーが薙刀状になる瞬間が最高にCoolなダース・モール、そして少し生意気で可愛いアナキン・・等々。

しかしポッドレースの長さやジャー・ジャー・ビンクスの出しゃばり振りなどを持ち出すまでもなく、バランスの悪さや盛り上がりの欠如はいかんともし難い。物語はなんとかまとまりをつけて「Peace!」(その後の“歴史”を思うと虚しく響く)のセリフと共に終わるがどうにもビシっと決まらない。
いやはやなんとも覚束ない「序」だ。

そして遥かなるサーガの発端が、関税率をめぐる貿易摩擦(オープニングクロール参照)とは・・正直な感想は「ショボい」。とはいえ実際の我々の歴史が指し示しているように、変革や転換のきっかけとはそういうものかもしれない。
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