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夕陽に立つ保安官のHKのレビュー・感想・評価

夕陽に立つ保安官(1968年製作の映画)
4.0
ジェームズ・ガーナー(『大脱走』『マーベリック(TV)』)主演のコメディ・ウェスタン。いやギャグ・ウェスタン(?) 
監督は西部劇ならシリアスからコメディまで何でもこなす西部劇職人バート・ケネディ。
タイトルの“夕陽”は例のごとく西部劇の邦題の枕詞であり原題とも内容とも無関係。
BS録画をひさしぶりに観たけどやっぱり面白い。観ている間はもうニコニコ。

『荒野の決闘』や『リオ・ブラボー』を思わせる展開(ウォルター・ブレナンも出てます)など西部劇のパロディ要素満載で西部劇好きほど楽しめる仕組み。
建築中でまだ鉄格子がはまっていないスカスカの牢屋の入り口にチョークで線を引き、「ここから出るなよ」と言う保安官ガーナーと囚人ブルース・ダーンのやりとりはいつ見ても笑えます。

ガーナー演じるおとぼけスゴ腕ガンマンは当たり役だし、ヒロインのはずのジョーン・ハケットの奇行ぶりも可笑しい。忘れてましたが『コンバット!』のリトル・ジョンも出てます。でも一番印象に残るのはなんといってもジャック・イーラム。あの面相のせいで他作品では極悪人ばかりですが、今回はヒトのいい小心者のコメディ開眼演技が絶品。
本作はなんと、イーラムが冒頭の3人組の刺客の1人を演じた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト』と公開年度が同じです。

この映画、初めて観たのは吹替のTV版で、ガーナーの声は後のTVシリーズ『ロックフォードの事件メモ』と同じく定番の名古屋章。山田康雄が声をあてたブルース・ダーンとの牢屋のくだりは爆笑モノでした。
ところがこの作品いまだ国内ではディスク化されていません。是非今からでもTV版吹替付きのDVDを発売して欲しい。お願いします。
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