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サランドラのrollinのレビュー・感想・評価

サランドラ(1977年製作の映画)
3.4
オープンワールド版悪魔のいけにえ‥になり損ねた野心作。
車の故障によって元核実験場だった荒野に立ち往生することになった一家が、野蛮な変態ファミリーに狙われる恐怖の一夜!

見られてる感満載のカメラワークや個性豊かな登場人物のアクションは求心力抜群やし、不安を煽る劇伴がここぞというタイミングでブレイクするセンスも好き。
ただ襲撃する側の変態家族の見た目が意外と普通なもんで、いざ彼らの姿が明るみに出ると何だかなぁって感じ。彼らが眼球をキョロキョロさせて標的を追うのも人間的やし、やはり獣は首ごと動かさないと怖くない。

デニムの半ズボンに銃を振り回すアメリカンファミリーと、文明から見放されたパパ・ジュピターをゼウスとして団結している荒野の変態一家。父親を家長とする各々の神話体系間の争いと見れば、中々良く作り込まれた設定のようにも思えるし、そうなると変態長男がトレーラーの冷蔵庫に入っているコーラに見向きもしないのにも納得なのでやんす。

そしてこのデニム&コーラのアメリカ神話とギリシア神話の戦いを制するのは、真の獣である犬とヘビ。変態パパを捕まえるトラップのシーンとか最高に笑えるし、ゴア表現に対して抜かりがないのはえらい。照明のルーズな感じはご愛嬌。総じて、全然きらいじゃないよ!
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