とびん

アメリカン・ビューティーのとびんのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

取るに足らぬ凡人が妻に殺されるまでのお話。

出てくるキャラ全員気持ち悪い笑
娘の友達に欲情して筋トレ始めるところからもう無理笑
妻も薄汚い精神の持ち主で、垣間見える強欲と驕慢に吐き気がした。
娘は健全だが、友達とボーイフレンドには感心しない。
愛着は全く湧かない。が、理解できる部分はあった。
人は誰でも秘密を持っていて、その秘密が露呈しないように蓋を何重にも閉めている。
海兵隊のお父さんも自分がゲイだから、底意ではなくオープンに発しているお隣りさんに憤りを覚えたんだろう。
そしてなによりも、みんな主人公のことを興味がないんだよね。
妻がグダグダ言ったり、娘が愚痴るのも体裁のためで主人公のためじゃない。
だから、最後、娘の友達に興味を持たれたとき、『幸せ』だと思ったんだろうな。
たしかに、誰かに興味を持ってもらえるのって幸せだ。
リッキーの感情も残虐性が多分に含まれている感性だが、おかしくはない。
むしろ鋭敏すぎるゆえの逸脱なのかもしれない。
彼は『正直さ』に美を追求していた。
だから、唯一素直だった娘に惚れたし、死体に魅了されたのかも。死体って嘘をつかないから。
そこには、『死』という事実しかなく、なにより潔癖である。
誰にでも秘密はある。
でも、この物語の答えは1番最初に言ってあるんだよね。
不気味な演出もこの映画をより引き立てていた。
久しぶりに新しい価値観を教えてくれた作品に出会った。
とびん

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