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妻二人の3104のレビュー・感想・評価

妻二人(1967年製作の映画)
3.6
この頃~60年代中盤以降~増村は疾走感後退で代わりに“えぐ味”増量中につきそれほど好みではない。個人的には置いて行かれそうな疾走感で最後まで走りぬくような初期の作品群がどうしても愛おしい。

と、若干テンションとハードルを下げて観た本作だがなかなかどうして悪くはない。登場人物それぞれの欲望/思惑とそれに対する罰もきちんと描き、予想よりも少しだけしっかりとした出来。彼には珍しく(?)「正しさ」「愛」を説くのも、好みの問題だろうが個人的にはアリだと解釈。メロドラマで始まり唐突にミステリーに舵を切るかと思いきや結局メロドラマで押し切るいびつな構造は・・作り手側の狙い通りだったのかそれとも失敗だったのか。

難しい役どころの若尾文子、メンヘラ気味の役がここではそれほどマッチしていない岡田茉莉子の両者の美しさ(回想シーンのカジュアルな恰好の岡田がキュート!)に比して、2人の“夫”たるところの高橋幸治に残念ながら魅力を感じられず。特にあややが彼をそんなに「愛する」のはなぜ?と思ってしまう。江波杏子の肢体はセクシー。
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