うるぐす

12人の優しい日本人のうるぐすのレビュー・感想・評価

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)
4.1
面白かった!!!
この映画の当時の日本では、裁判員制度がまだ施行されていないわけだが、その前提で、「もし日本でも裁判員制度が導入されたら」という設定。
「十二人の怒れる男」という映画を受けての作品らしいので、その映画を見たらまた違った感想になるのかも。
とりあえず、タイトルの通り、日本人は優しい。特に美人にめっぽう弱い。これは世界共通なのか、やはり外見は大事。そして、「疑わしきは罰せず」の論理や、「空気」を重んじる。
判決を出さないと帰れない、というつまり密室からの脱出劇の要素と、「正義と悪を自分達が選ぶ」という人間の感情の本質が交わることでこんなにも面白くなるんだと驚く。
そして、でも、「日本人」という括りではあるが、結局は「個人の集合」でしかなく、善悪の価値観も、何を優先するかもバラバラ。それでも一つのゴールを目指さないといけない。その心理戦も、描写もシンプルだが複雑、という非常にパラドクスに満ちていて、三谷幸喜の上手さを堪能してしまった。
ちょうどの面白さだと思います。
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