アラサーちゃん

12人の優しい日本人のアラサーちゃんのレビュー・感想・評価

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)
3.5
🎦
「12人の優しい日本人」
ある事件の陪審員として会議室に集められた、服装も性格も年齢もさまざまな12人の男女。最初の決議では全員が被告は無罪とし、会議は終わるはずだった。しかし、ひとりの男が発した一言から、12人は論争の渦に巻き込まれていく。1991年、日。

現代の日本演劇界を担う方々が勢揃い。
みんなわか〜い。
相島一之もトヨエツも若いし、塩見三省おじいさんじゃないし、私の年齢分みんな年食ったんだね。
でも、梶原善だけかわんない。笑

下敷きになっているのは言わずもがなシドニー・ルメットの超絶名作「十二人の怒れる男」で、それを三谷幸喜が脚本、まあふつうに面白いです。荒削りに見えて、すごく丁寧な作り。
ストーリー構成も、シンプルなので若干間延びするところもあるけれど、さすが三谷幸喜らしくどの人もこの人もキャラ立ちしていてとても良い。
なんといっても守衛役の久保晶、最後にちらっと田口浩正も◎
小ネタもセンスが光っていて、証人の聞き間違いするおばちゃんや、若貴兄弟の多数決、ピザの出前なんかどれもこれも最高でした。

はじまりは全員無罪。被告の女性に感情移入しているのか、そういうところが「優しい日本人」の国民性をぞんぶんに出している。
と思いきや、ラストの展開を見てなるほどと。ああいう優しさね。