Mikiyoshi1986

1900年のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

1900年(1976年製作の映画)
4.5
ベルトルッチ監督が贈るイタリア近代史巨編。
5時間以上に渡るこの歴史絵巻には人生、人間そのものが詰まってる。
1900年初頭、地主と小作人との主従関係を背景に、WW1~ファシズムの台頭、WW2~ソーシャリズムの返り咲きをドラマチックに描く。

階層の違う幼き二人の美しき友情。
ファシズム並びに社会主義がイタリアに及ぼした動向と影響が大変分かりやすく学べます。
地主に虐げられる小作人の図は「木靴の樹」を、ファシズムが台頭した暗い時代は「暗殺の森」を想起した方も多いのではないでしょうか。

中でも特筆したいのは映像の素晴らしさ。
撮影監督ストラーロが魅せるイタリア片田舎の美しい原風景が強く心に残ります。
小作人たちが林の中で音楽と踊りに酔いしれるシーンも素晴らしかったし、地主役のバート・ランカスターが老いと孤独を痛感するシーンも大変印象深いです。
そしてドナルド・サザーランドの憎たらしさはこの上無いくらい板についてる。アッチラは映画史に残る素晴らしい名悪役だったと思います。

必殺W手コキシーンも笑えたけど、帰還兵のオルモより兵役を免れたデニーロの方が体が引き締まってるのが笑える。
エンディングも大好き!

再観賞するには時間も気合いも必要ですが、やっぱり何度も観たくなる名作です。
Mikiyoshi1986

Mikiyoshi1986