1900年の作品情報・感想・評価

「1900年」に投稿された感想・評価

joker

jokerの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

5h20にも及ぶ超大作。

デ・ニーロとベルトルッチという、
まさに夢のコラボレーション。

映画は少年期から丁寧に描いていき、
彼らが老人になるまでを映し出していく。

デ・ニーロが登場するまでは世界観に、彼が出てきてからは人間模様に意識が引き寄せられていく。

理不尽な抑圧による民衆の怒り、
それはいつの時代も変わることはない。

報復が正義だとは思えないが、
彼への仕打ちは自然の摂理かもしれない。

ラストシーンがまるで、
少年に輪廻転生したようで素晴らしい。
馮美梅

馮美梅の感想・評価

5.0
今はなき、阪急プラザで初鑑賞。(その後フェスティバルホールなど行く度か劇場で鑑賞)日本公開当時、1日に2回上映、それはこの作品が長尺だから(笑)そして1部と2部に分かれていて、途休憩があって、劇場でお弁当が売られたりしていたのが印象的でした。

この作品はアメリカで短いバージョンが公開されていた(ハリウッドサイドから言われ)が、日本公開の折、念願の通常版として公開されることになったんです。

1900年の同じ日に生まれたアルフレードは大地主の息子として、オルモは小作人の息子として生まれる。立場は違えど、同じ時間を共有しながら成長する2人。そこにはその当時のイタリアの世相も相交じり2人の人生も翻弄されていく。

とにかく、登場人物が魅力的。アルフレードにはロバート・デ・ニーロ、オルモにはジェラール・ド・パルデュー。私的にはデ・ニーロよりもドパルデューの演技に惚れました(笑)

女性陣特にドミニク・サンダは美しく、ステファニア・サンドレッリの力強さも魅力的だったし、忘れてはならないのはドナルド・サザーランド演じるアッチラとラウラ・ベッティ演じるレジーナの極悪非道なカップル。イタリアのファシズムを体現したような2人の怪演はお見事でした。

大地主と小作人、どちらが幸せなのか?
2人の主人公が生まれてきた境遇、そして時代に流され、抗い、諦め、いろんな経験をしながら辿りつく末を描く大抒情詩。

エンリオ・モリコーネの音楽も最高でのちにアルバムも購入するくらい好きです。これぞ映画の醍醐味を味わえる作品の1つ。この時からベルトルッチ監督を意識して好きになりましたね。(でも実は監督作品はそれ以前に観ていたということを後々知ったのです)
すごい映画だった。良くも悪くもこんな映画今まで見たことない。こんなに人々が生き生きとしてる映画を見たのは初めてかも。エログロなど全てを包み隠さず見せている。そして、それを撮影監督のヴィットリオ・ストラーロによる審美的なカメラワークで見事に演出していて、5時間20分の長時間でも退屈しませんでした。

ファシズムと社会主義の対立やオルモとアルフレードの友情が複雑に絡まってるけど、その根幹は普通の農民の人たちの物語だね。

あと動物の描写がすごかった。鳥を撃ち殺して弱っていく様や、豚の屠殺を隠さずそのまま映してるのにはびっくり。こういう描写が駄目な人もいるかもしれないけど、このシーンがいいんだよ。生の実感を確実なものにしてくれる。今じゃ絶対無理だろうな。でも、猫を頭突きで殺すのはさすがにフェイクだけど。
メッシ

メッシの感想・評価

4.0
地主と小作人を軸として1900年頃〜二次大戦後の激動のイタリアを描く。

約5時間半、重厚かつ重層的な話に関わらず体感時間は短い。
デニーロとジェラールドパルデューの一生の話がメインなので短いくらい色々な事が起きて面白い。2人の立場が全く違う男の友情、愛情、妬み、憎しみ、その他、人間が一生に味わうであろう感情のヒダのようなものが5時間に集約されていて驚嘆した。

キャスティングが凄い。2人の他、バードランカスターが癖のある爺さん、ドナルドザザーランドが小狡い狂気のファシスト、飲みまくり脱ぎまくりなドミニクサンダ 、など他にも脇役のインパクトも強い。それだけ長期間に渡り役に憑依したんだろうと想像できる。デニーロ、ちんちん丸出しだもの。

一次大戦まえの古いイタリアからファシズム対社会主義の二次大戦が5時間でじっくり(それでも当然描ききれていないのだろうけど)体感できるので入り込みやすい。
ただファシズムなんて本当にくだらないと思うけど、やや社会主義よりな描き方がほんの少しだけ気になった。
それもラストの、ジジイになってからもガキの時分と変わらず小競り合いをするシーンがあるので爽快感のまま満足。

他人の人生を追体験出来るような映画なので5時間半、長いけど観たこと無い人は是非。

原作なし?ベルトルッチの脚本、合作だけど、、、天才か!
ベルナルド・ベルトルッチが亡くなってもう2年近く…。彼の代表作の1本をようやく鑑賞。5時間以上の映画を久々に観たのでめちゃめちゃ疲れました…(笑)。

いずれも1901年の同じ日に生まれた地主の息子アルフレードと、小作人頭の息子オルモ。異なる階級に生まれた二人の幼馴染が、第一次世界大戦から第二次世界大戦終結という怒涛の時代を生き抜く、壮大な歴史ロマン。

ベルトルッチらしい耽美的かつ哀愁溢れる映像と、人間の「恥」や「欲」を鮮烈に描く生々しい演出が詰まった一大叙事詩でした。5時間強ということで鑑賞に当たってはさすがにエネルギーを必要としますが、それでもほとんど飽きずに観られたのは名作たる証拠ですね!
イタリア現代史が詰め込まれたストーリーなので、観終わった後は何だか世界史の長い講義を受けた後のような気分になりました。2つの対戦を基軸に、中でも特に忌むべき記憶であるファシストの台頭にもフォーカスされており、アルフレードとオルモの姿を通してイタリア社会の大きな変容を学ぶことができました。「地主」と「農民」という対照的な立場でありながら親交を深めていた少年時代、しかし時が経って戦況が変わるにつれて二人の思想にも変化があり、いつしか「地主」が「農民」を苦しめ、さらには「農民」が「地主」に復讐を誓う…。時代に翻弄された皮肉な運命をたどりながらも、不思議な絆で結ばれている二人。監督はロバート・デ・ニーロとジェラール・ドパルデューという、本来はイタリアを拠点にしていない名優二人を意外にもキャスティング、青年期から壮年期までを見事に演じ切っています。特に、ジェラールはフランスの名優ながら、中年になってから&ハリウッド進出後の『グリーン・カード』とか『僕のボーガス』のイメージが個人的に強すぎて、シリアスな演技が新鮮だったのはきっと私だけでしょう(笑)。若々しいデ・ニーロは、ため息が出るくらい野性的なイケメンぶり。ちょうど『タクシー・ドライバー』の時期で、絶好調の頃ですね!ヒロイン役のドミニク・サンダも、情緒不安定ぶりがすさまじい熱演でした…。

でも特に印象的だったのが、ドナルド・サザーランド。しばらく彼の映画を観るのが嫌になりそうなくらい、憎たらしいファシスト党員・アッティラ役を嬉々として演じていて最悪(褒め言葉!笑)でした…。ショッキングなシーンがもともと多いベルトルッチ作品ですが、それにしても子供や動物の惨殺シーンが出てくるのは私も覚悟しておらず、ちょっとトラウマです。(作品は素晴らしかったのですが、そのシーンのせいでこの点数...)
masa

masaの感想・評価

3.7
原題「Novecento(20世紀)」
1901年の同じ日に生まれた立場は違うが仲の良い二人の45年間を5時間以上かけて描く
二度の世界大戦という時期で変わりゆくイタリアエミーリャ地方のポー河付近の農村が舞台
映像としては美しい農村の風景が印象的
ロバート・デ・ニーロは同じ年に公開された「タクシードライバー」にも主演している
ドミニク・サンダの美しさは目を引き、ドナルド・サザーランドは狂気に満ちた演技をみせている
Itsuki

Itsukiの感想・評価

4.2
これこそ本当にずっと見たかった映画。

生々しさがすごい映画だった。

どちらかといえば急展開があるような感じではなく淡々としたストーリーだけど退屈なく見れた。

イタリア史と人間性とちゃんと濃ゆい
ropi

ropiの感想・評価

3.1
ベルトリッチの作品は何作か鑑賞したが、どうも好きになれない。今作もロバート・デ・ニーロ、ジェラール・ドパリュデュー、ドミニク・サンダという豪華出演者とエンニオ・モリコーネが音楽を担当しているということで、期待大だったのだが。
大作の中でもお気に入りの作品『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のような重層的で大いに満足感の得られるものではなかった。
イタリア史について勉強不足だったこともあるのかも。

ドナルド・サザーランドの不気味な笑みが脳裏に焼き付いている。
5時間強という長尺のため2日に分けて観たが、退屈に感じる場面は少なかった。特に第1部の奥行きのある農村風景はどこを切っても画になる美しさで、撮影監督ヴィットリオ・ストラーロの面目躍如といった印象。この映画は20世紀前半の北イタリア農村における左右の対立を描いていて、前半では小作人の間に広まる社会主義が、後半ではそれを弾圧する地主・聖職層・中間層のファシズムが伸長する。2人の主人公である小作人のオルモと地主のアルフレードはそれぞれの陣営に属し、対立を経ながらもラストまで一緒にいることが示唆される。普通に考えれば20世紀の大事件である第一次・第二次大戦が後景に配されているのは、あくまで農村における地主・小作人制度の解体が主題であるためだろう。高校時代、世界史で中間層がファシズムを受容した背景には労働階級に広まった社会主義への恐れがあったとの説明を受けたが、この映画では社会主義が農民たちを団結させ、支配層に抵抗させるイデオロギーとして強力なものとして描かれており、これを脅威とする向きがあっても無理はないなと感じた。
レイ

レイの感想・評価

5.0
第一部163分を観賞から。
初見は、高校一年生のときにイタリア文化会館にて。文化交流の一環として、です。
今回は約数十年ぶりとなります。

ヴィットリオ・ストラーロの撮影が、そんなに良くない。期待し過ぎたのかもしれない。
エンニオ・モリコーネの音楽も心の残る程の旋律はなかった。そう感じた。絶頂期と比べると、ほどほどの曲作り。
脚本はメリハリに乏しいが、何故か魅力的。ありえない、、、

やはり、この作品には人の心の豊かに実る生命力がグッと詰まっており、それが更に無限に広がっている。

豪華役者陣については、第二部観賞後に記します。

この作品は広大な世界、時にも場にも囚われない。すごく重量感のある映画。

パワフル、これに尽きる。

そのとき、気づく。

ストラーロの撮影、
モリコーネの音楽、
を始めとする、
この映画の製作に全身全霊で向き合う方々は自己を主張せず、ただただこの作品に尽くす。

だから、僕はストラーロに、
それに加えてモリコーネに、
疑念を抱いた。
しかし、いま全てが明かされる。 

映画は素晴らしい。

後日、第二部に拙文を寄せるのが楽しみです。
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