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ロードハウス/孤独の街のMASHのレビュー・感想・評価

ロードハウス/孤独の街(1989年製作の映画)
2.5
リメイクを観る前にとりあえずオリジナルを、ということで鑑賞。リメイクするくらいだから隠れた名作かと思いきや、まさかの当時ラジー賞にノミネートされてしまったという。期待を落としつつ、適度に楽しい80sアクションが観れたらいいなくらいの気持ちで観たわけだが、これがまぁ中々に…

西部劇を中心によく見る酒場でのドタバタ喧嘩シーン。今作はあれを2時間の映画にした感じ。主人公は色んな所で用心棒をして渡り歩いているダルトン(パトリック・スウェイジ)。ある田舎町で雇われた彼だったが、実はそこは悪どい地主が仕切る町で、ダルトンは事件に巻き込まれていく。まぁストーリーなんてお飾りみたいなもんだが。

この映画を表すなら「死にゆく80sアクション映画の残滓」と言ったところか。アクション、音楽、キャラクター、謎の決め台詞、ファッションや髪型まで。80年代の良い部分ではなく、ダサくて古臭いテンプレを詰め込んでいる感じ。派手な爆発こそあるものの、メインの喧嘩アクションももっさり。

あと、今作はいわゆるマッチョな映画なのだが、そのマッチョ具合がなんか変。バイオレンスだったり、主人公が自分で傷を縫ったり、男も女もやたら脱ぐのは分かるとして、主人公たちが下着をつけないでジーンズを履くシーンをわざわざ映すのはなぜなのか。しかもヒロインがそれを見てウットリするという。当時はこれがカッコよかったの?

クールでマッチョな流れ者の主人公が悪い奴らが支配している町を救う、という定番ストーリー自体は悪くない。むしろ今作では割と血も出たりと、チープな感じでそれはそれで楽しめなくない。だが、それにしても他に惹かれるものがあまりにない。キャラもその関係性もアクションも、そして80年代のあの感じも。酷すぎて笑える感じでもないというのが余計に。

最初の治安の悪い酒場のシーンは割と面白かったのに、それ以降の展開にてんで興味が持てなかった。主にキャラクターの魅力不足、そして明確なビジョンのなさが原因に思える。とりあえずで作ったアクション映画という印象。なぜこの映画を現代でリメイクしようと思ったのか。僕が見逃した光る原石があったのだろうか。これはリメイク版も観て確かめるしかない。
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