だーすけ

セーラー服と機関銃のだーすけのネタバレレビュー・内容・結末

セーラー服と機関銃(1981年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

不思議な魅力のある映画。
おっさん達がいまだにこの映画のことを語るのもわかる気もする。
もちろん、それは当時絶頂期を迎えつつあったアイドルだった薬師丸ひろ子が主演ってこともあるし、それがヤクザの組長になるというとんでもない設定が受けたのもあると思う。

正直、脚本はグダグダ。特に中盤以降はひどいもんよ。

ってか、ヘロインはお前が持ってたんかーい!!しかもそれで組員がなぶり殺されたのに組長は怒らないのかーい!!

後半に行くに従ってストーリーがグダグダになってて、「なにこの映画??」「解剖って突然なに?」「黒木が殺されて敵討する理由は?自分のとこの組員殺した張本人でしょ??」と謎が謎を呼び、そのまま放置される。

でも、そこを乗り越えた後の終盤の展開の凄さというか潔さと切なさ、よくわけのわからんラストは何故か引き込まれるし、何よりも、最も有名なあの機関銃乱射シーンの薬師丸ひろ子の悪魔的な美しさは本当にすごいものがある。

相米慎二の監督作って初めて観たんだけど、撮り方も面白くて、あちこちで物凄い長回し、しかもどえらいロングショットも多用ってのは面白い。
アテレコなかったら会話なんか絶対聞こえないレベル。
絶対に聞こえない距離の会話なのに成立させちゃうもんだから、ほんと不思議な印象が残る映画。

当時の映画らしいかっこよさもある。
タイトル出るところ、かっこいい!
1980年頃の東京の風景も素晴らしいなー。

あんなに大量の本物の暴走族を爆音鳴らさせながら新宿通りを爆走させて一発撮りなんてのもこの時代ならでは!
いいもん観た!!
ただ、もちろん苦情は来たらしい笑

ただ、これも時代なのか、結構舞台演劇みたいな演技や演出もあるんだけど、俺は苦手。
この手の演出はやり過ぎはダメよね。

あと、音による演出が上手い。雑踏、蝉の声、インターホン、音楽、無音などを使った演出が場面への没入感を深めてると思う。

役者陣も色んな意味で面白くて、飽きさせない。
薬師丸ひろ子のかわいさにニコニコしてる渡瀬恒彦、カチコミかけられた時に身を挺して薬師丸ひろ子を守る渡瀬恒彦、要はこれは形を変えた2人のラブストーリーなのだね。

柳沢慎吾はこの頃から柳沢慎吾なんだなー!
三石賢も柳沢慎吾と一緒に高校生役で出てたみたいだけど、気付けず。
風祭ゆきって演技ひどいねー。
柄本明もこの頃から柄本明だなー。

ふとっちょが全然ふとっちょじゃないし、ヘロインを狙う理由がそんなことなの?
でも、そのふとっちょが三國連太郎だったとは全然気が付かなかった!
斉藤洋介が出てたのも気づかなかった。

まあ、色々あるものの、なんというか得体の知れない不思議な魅力のある映画であることは確か。