秋

地球の静止する日の秋のネタバレレビュー・内容・結末

地球の静止する日(1951年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

・宇宙人が円盤型のUFOに乗って地球にやってくるという現実的とは言えない話かと思いきや、地球や人間やこの時代の政治・歴史のことを宇宙人の目から描いている。ファンタジーより寧ろとても社会的で政治的な作品で面白かった。良い意味で思っていたのと違った。
・一見、リアリティラインの低い非現実的な話に見せかけて、その意図するところは非常に現実についての話をしているという、まさに私の1番理想としている完璧なSFだった。毎日色々な映画を観ていても、まだまだ自分の知らなかった大好きな作品を見つけられるのは本当に嬉しい。
・全ての国家のトップを一箇所に集めるのは絶対無理という下りとか、国同士の争い、国民が特定の国への敵意や嫌悪感情を当たり前に持っているところとか。昔の映画だけど今見てもとても描写がリアル。確かに、もし本当にこういう状況になったら、宇宙人じゃなくてあの国がやったんだ!という陰謀論が流行るだろうなという嫌な納得感がある。
・小さい子どもが好奇心からうっかり真実を目撃してしまう展開も好き。
・戦後すぐのアメリカ映画で、原子力を使った兵器だけは絶対にダメだと、宇宙人が地球人に警告する内容なの凄すぎる。とても衝撃だし本当に感動した。
・ロボット、ゴートのデザインも好き。ダブルアイじゃなく、黒いライン上に光が動く、ザクみたいな目が良い。
・最終的には、ほぼガンダム00みたいな話だった。圧倒的な力(ロボット)によって武力を排除し、戦争をなくし、平和を保っている。勿論、これは結局力で支配しているじゃないか、というツッコミ所でもあるのだけど、ちゃんとクラトゥが、これが完璧だとは思ってないけど一応制度として機能してる的なことも言っててちゃんとしているな〜と思った。
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