円柱野郎

地球の静止する日の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

地球の静止する日(1951年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

突如現れた人知を越える存在に直面した人類がどのような感情を抱くか。そこに着目し、そして制作当時の社会情勢をふまえながらの展開の上手い。さすがにあまりにレトロなデザインのロボット“ゴート”や円盤のデザインは時代を感じてしまうけど、今ではもはやそれが古典作品としての味になってる。
宇宙人の要求自体は明快。“人類よ争いをやめよ”ということ。このまま武力闘争を宇宙にまで持ち出すときが来れば、宇宙の警察であるロボットに滅ぼされる。だから平和に生きろと語る。ただ、平和の要求を掲げた宣言は良いと思うのだけど、個人的には実は微妙にも思う要求なんだよね。この平和要求はロボットによる破壊という恐怖があってこそ。つまり恐怖によって作られる平和。宇宙人クラトゥは確かに友好的で平和を望んでいる人物だと思う。でも平和にならなければ滅ぼされると言う脅迫は冷戦下の恐怖とダブらせて感じてしまう。そういう意味でもアメリカ的な話なのかもね。
円柱野郎

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