ひゅうどんこ

無法松の一生のひゅうどんこのレビュー・感想・評価

無法松の一生(1965年製作の映画)
4.3

 無法松映画化4作品中最後発だからか、妙にカラー映像が綺麗過ぎて....というより、違和感なく自然に見えるものですから、最初の方は心配しました。よくある2時間テレビドラマの絵面に見えてしまって、、。
          
 阪東妻三郎版を観たのが随分前なので、各筋もシーンも殆んど覚えてませんでしたが、初代にだいぶ手を加えたな、という印象。 

 粗野な男が身分違いの婦人に献身を貫き通す、っていうのが話の肝になるので、荒々しさの塊みたいな勝新起用は成功。唄と太鼓を披露する大事な部分も大成功。あとは、初代阪妻が残した無法松像との違いをどう解釈するかで評価も違ってくるかと思います。

 身分違いの相手とか、慕いながら叶わぬ相手への献身といえば、朝ドラ『おしん』においてのガッツ石松扮する中沢健や、映画『あ・うん』での高倉健扮する門倉修造を見てもらえばイメージが湧きやすくなるかなぁ。
作曲家ブラームスとシューマン夫人との関係もそんな感じだったとか。

 勝新も有馬稲子も適役で、私はこれ良かったと思います。