実は「トレスポ」もそんなにハマらず、「ザ・ビーチ」に至ってはつまんなかったので、ダニー・ボイルは合わないと思ってた。
でもまだゾンビ映画というジャンルが一部のマニアにしか受け入れられてなかった時代、劇場でゾンビが観られるならと期待値は低めで観に行った。
最初こそドキュメンタリーぽいザラついた映像や、無名の俳優陣に大丈夫かな…と不安になったものの、最終的には大満足!
ウィルスにより凶暴化する人間ということで、正確にはゾンビとは少しカテゴリーが違うかもしれないけど、とにかくレイジウィルスが革新的。
それまでゾンビといえばノロノロ動くものという概念を覆した疾走ゾンビのはしりとも言える。
元々は「バタリアン」とか走るゾンビは前からいたものの、これはある意味パロディみたいなものだったし。
感染してから発症までが数十秒というのがまず恐ろしい。
あっという間に動きがおかしくなり、凶暴化する。
そんな奴らの群れが全力疾走で襲ってくるトンネルでのシーンなんかはもうめちゃくちゃハラハラさせられた。
あと主人公が初めて感染者と遭遇する教会でのシーン。
音を立てた途端バッ!と振り向く感染者の動きと顔がめちゃくちゃ怖かった。
ゾンビ映画お約束の無人スーパーでの買い物も楽しいし、本当に恐ろしいのは人間という要素も盛り込んでて、ゾンビ映画愛も感じる。
あの終わり方も好き。
この頃はここまで有名になると思ってなかったキリアン・マーフィーや今や脇役で引っ張りだこのブレンダン・グリーソンなどキャスティングも良い。
つい最近「ランペイジ」にも出てたナオミ・ハリスが若々しい。
何故かフィルマの評価は低めだけど、走るゾンビという概念を開拓したこと、何よりもメジャーレベルでゾンビ映画を発信してくれたという功績はデカイ。
この映画のヒットが無ければ、今ほどゾンビ映画というジャンルがメジャーにはならなかったかもしれない。