真世紀

うめく排水管の真世紀のレビュー・感想・評価

うめく排水管(2004年製作の映画)
2.0
姉・栗原瞳、妹・岩佐真悠子の美人姉妹は潔癖症の母と三人で暮らしていたが、離婚した売れない漫画家の父、8mm片手に姉をストーキングする滑井(フジヤマ)がその周囲をつきまとう。だが、姉は滑井に対してある感情を抱いていた。

この理由となる過去の出来事の回想、提示が下手にキッチュな表現を交えて行なわれているため、失敗しているのが本作、大きな欠点。DVD添付のあらすじを観るまで自分もかくあってほしいという滑井の空想とばかり思っていた。

全体的に低予算だが、肝心の排水管に人々が引きずり込まれる様がまずもってチープで失笑。原作でも肝である排水管の中に詰まっている姿を出さないのも予算上の理由としか考えられない。

演出では突如、姉がアコギ弾き鳴らしながら歌いだすのは同趣向の場面がある「発狂する唇」「血を吸う宇宙」よりインパクトがはるかに弱いのも難。

キャスティング、姉妹役の二人は背面オンリーのシャワーシーンやソフトレズっぽい雰囲気も漂わせるが、何より出色は母親役。顔の下半分が妙に面長に不釣り合いに細く、伊藤潤二の漫画から本当に出てきたかのよう。でもこの母としょぼくれた父から栗原瞳と岩佐真悠子は生まれてこないだろう(笑)。お好きな方だけ、どうぞ。

「富江」の及川中監督・脚本。
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