真世紀

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀の真世紀のレビュー・感想・評価

3.9
配信にあったので、恐らくは前世紀以来、久々に再見。ロメロ監督のモダンゾンビのオリジン作品を、カラーでリメイク。監督はトム・サヴィーニが担当。

母の墓参に兄と郊外の霊園を訪れたヒロイン。よろよろと近付いてきた不気味な男に襲われて、兄は落命。辛うじてその場を逃れた彼女はある一軒家にたどり着き、やはり、逃れてきた黒人男性(「キャンディマン」シリーズなどで知られるホラーファンには馴染みの顔トニー・トッド)と救いを待って立て籠ることに。屋内にはゾンビ化した主とその弟の遺体。地下室に身を隠していたこの家のゾンビ主の甥っ子とその恋人、やはり、逃れてきた中年夫妻と襲ってきた者に噛まれたというその幼い娘も。皆が一丸となってサバイブするどころか、中年男が地下室への避難を主張し続け、険悪な雰囲気に。家の中のドアや棚板などで窓を補強し始めるも、その釘をドンドン打っ音がどうやら田舎では夜空に響き、ゾンビ化した近隣住民の皆さんをひきつけてしまった様で一夜のサバイブは成るや否や。

基本的なストーリーはなぞるも、何よりもヒロインキャラがオリジナルとは異なり、中盤から銃器を構えて、装いも変わってと強さを発揮。

スクリーミングクイーンなんて言葉も有るくらい、かつてのホラー映画では女性は悲鳴をあげる、犠牲者ポジション。それが「エイリアン」さらには「エイリアン2」のリプリーの活躍で描かれ方が変化。初見当時は、女性も強くなったよなぁ、と心底思わされましたね。

そして、世紀もまたいで「ハロウィン」のジェイミー・リー・カーティスのシリーズを通じての変貌ぶり、「バイオハザード」シリーズのミラジョボ姉さんなど、強い女性キャラが看板をはる時代へ移行したことを改めて思い返す次第。

近年の疾走ゾンビと異なり、ロメロ印のスローなゾンビ、やはり、味があっていいよなぁ。そして、自警団らのゾンビへの「非人間的な」扱いに向けられるヒロインの強い視線がなんとも印象的。
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