陰謀論者X

Uターンの陰謀論者Xのネタバレレビュー・内容・結末

Uターン(1997年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

アリゾナやテキサス辺りのアメリカの辺境を舞台にした映画を見ていると、大抵の場合人が簡単に殺されたり酷い目に遭うのが定番なので絶対に行きたくないという思いが強くなります。オリバー・ストーン監督の今作もそう。これは啓蒙映画ですね😇

ルート66沿いで人を無差別に殺しまくるカップルを描いた「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のノリが濃厚で人物の目線のアップや別角度からの表情を捉えたショットを目まぐるしくカットインさせつつ、エンニオ・モリコーネによる牧歌的&不安感を煽りまくる劇伴も相まって、ショーン・ペン演じるボビーが一刻も早くこの土地を立ち去りたいのに目に見えない壁に阻まれてどうしても逃げられないストレスがこちらまで伝播して息苦しくなります😇

アリゾナの砂漠地帯を疾走している最中に故障した車を修理するためボビーが立ち寄った辺鄙な町・スーペリア。修理工場では話が全く通じない修理工ダレル(ビリー・ボブ・ソーントンが何をしでかすか分からない不気味な修理工を怪演‼️)に終始イライラさせられたり、スーパーに入れば強盗に出くわして銃撃戦に巻き込まれギャングに返さなくてはならないカネが台無しになったり、ダイナーに入れば田舎娘に付き纏われた挙句、その現場をことごとく目撃するストーカー彼氏のTNT(若き日のホアキン・フェニックス‼️)に散々ウザ絡みされたり、セクシーすぎる人妻グレース(ジェニファー・ロペスが男を不幸にする悪女体質)に散々振り回された挙句、ニック・ノルティ演じる異様に嫉妬深い亭主(実はグレースを近親相姦し続けた父)の殺しを手伝う羽目になったりと本当ーーーーに散々な目に遭うショーン・ペンがマジで哀れになってきます。この地獄から早く出してくれ‼️‼️‼️😇

最後、ボタンの掛け違いで幸せになれるチャンスをフイにした挙句、グレースに崖から突き落とされて満身創痍の重傷を負ったボビーがグレースを何とか絞殺するもトドメの9mm弾を横っ腹に撃ち込まれてしまう。それでも這々の体で愛車に戻り大金も得てこれからこの忌まわしい土地から脱出するぞと思いきや、あのダレルのヘタレ修理によってまたまた故障してしまう完膚なきまでの運の無さ。空を仰ぎ見るボビーの「アリゾナ‪……‬」の呟きと、日が暮れゆく山々に被る不気味な叫び声が実にイヤーーーな気持ちにさせてくれる見事なトンデモムービーでした😇

大分以前にテレビで深夜放送されましてその奇妙な内容が忘れがたかったのでDVDを購入したのですが、豪華な日本語吹き替え版で満喫しました。ボビー役の山路和弘さんやダレル役の玄田哲章さんが実に良かったですね😇

DVDケースのアオリ「他所者(よそもの)は引き返せ❗️」も実に効いています。興味本位でアリゾナやテキサスに行ってはダメなんですよ本当に😇
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