あかーぎー

トラ・トラ・トラ!のあかーぎーのレビュー・感想・評価

トラ・トラ・トラ!(1970年製作の映画)
3.8
昔から存在を知りつつも今まで見ずにいた。
日米合作映画で真珠湾攻撃の模様をアメリカ視点と日本視点とで描いていて
それぞれのシーンをアメリカ人監督、日本人監督が撮ってる珍しいパターン。

20世紀フォックスが120億弱掛けて撮っただけあって
お金の掛かり様が半端なく感じられる。
戦闘機の飛行シーンや爆撃・戦闘シーンなど
CGでは表現できない実写故のパワーをビシビシと感じれる。
途中ミニチュア撮影も入ってるそうやけど分からない程。
ただ、戦闘機や戦艦内で人間が喋ってるシーンでの
ハリボテ間満載のお粗末な合成シーンが
めちゃくちゃ浮いてて、今見るとギャグに見える…笑

ギャグと言えば、渥美清さんがカメオ出演していて
(寅さんとタイトルのトラが掛かってる?)
カンペを見ながら撮影してる様に見えて
思い入れが無いので引いてしまった…
(アメリカ公開版ではカットされてるみたいやけど)
でも、喋ってる内容の一部が重要なセリフやったりするんやけど。

教科書では教えてくれないシリーズとも言える内容で
ベースは日本軍が真珠湾攻撃に至る経緯を前半で描いて
後半で奇襲攻撃シーンって感じでエンタメ系戦争映画になってるんやけど
日本軍が取った行動であったり、アメリカ政府の間抜けさと
したたかさが描かれていて、あまり知識が無かった身からすると目から鱗状態。
アメリカ側が大分間抜けに描かれていてアメリカではコケたらしい…

感想をチラホラ見てると
一見、日本軍圧勝の様を描いてる所為か
溜飲が下がるとか、そういう意味で高評価付けてる人が結構いて
何だかなぁって感じ。

尺は144分で思った程長くは無く、その分、深みが無い。
最初にできた脚本は7時間分くらいあったらしく
大分簡略化したみたい。
当初、日本パートは黒澤明監督が担当していて
日本パートの脚本やキャストにも関わってたけど
撮影開始3週間でフォックスから首を切られたみたい。
黒澤監督が続投してたら、また違った作品になってたんやろうなぁ。