元々オリジナルのフランス映画「エール！」を見ていて
今作がハリウッドリメイクと知っていたので観る予定は無かった。
でもオスカーで作品賞と脚本賞を受賞して、且つすこぶる評価も高かったり
ある方の批評で改変部分がオリジナルより良いって言っていたのを聞いて観に行ってみた。
観ながら思ってたけど、感想を書く時は「エール！」を見返してからにしようと決めていた。
で、見返した結果、個人的にはやっぱオリジナルの方が良いなと思った。
正直結構前にオリジナルを観たので内容をあまり憶えて無かった。
コーダ鑑賞中も「あれ？これオリジナルにもあったっけ？」ってシーンや演出がいくつかあったけど
重要なポイントは全てオリジナル通りやった。
大きな設定の改変であったり、追加カットや演出の変更など違いが沢山あるけど
個人的にはオリジナルでこだわっていたであろう細かい演出が全てリメイク版では無くなっていたので
そこは個人的にリメイク版の残念な部分に感じた。
まず、オリジナルでは主人公家族は畜産業やったけどリメイクでは漁業に。
個人的にオリジナル冒頭での黒い牛が産まれてお父さんが名前を付けるシーンが好きやったんで少し残念な改変に感じた。
冒頭のシーンでオリジナルは主人公と獣医さんが会話するシーンから始まって次に家の中で家族のシーンに繋がる。
設定を知らない初見向けとしてはその方が綺麗な流れになるけど
リメイクではいきなり家族のシーンから入っていた気がする。
オリジナルでの聾唖故の騒音演出もその冒頭であったものがリメイクでは途中に入るようになっていたり。
例の後半の見せ場である無音のシーンはリメイクでは完全な無音やった気がするけど
オリジナルでは微かに雑音(耳を塞いだかのような演出)がしていた。
その夜の父と娘のシーンではリメイクでは父が先に佇んでた気がするけどオリジナルでは娘が先に佇んでた。
次の日にオリジナルでは父が娘を起こしに行ってたけどリメイクではそうではなかった気がした。
そこは父メインの流れにしていたオリジナルの方が良い気がした。
リメイクのコーダの記憶が既におぼろげなので合ってるか分からないけど
基本今上げた箇所は全てオリジナルが優れた部分やったのにリメイクでは改悪されたと感じた。
ただリメイクでは流石ハリウッドという事で
例えば父と娘の夜中のシーンがオリジナル以上に時間を掛けていた所は実際にウルっときたし良かったと思う。
ただオリジナルに方はあくまでラストのシーンをメインにしてるから逆にあっさりさせたとも感じたけど。
リメイクはハリウッドやからか恋愛要素が増えてて個人的には余計にも感じた。
どちらにせよ、個人的にはトータルでオリジナルの「エール！」の方が良かったという感想に。
