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コールド マウンテンのmiiのレビュー・感想・評価

コールド マウンテン(2003年製作の映画)
3.8
戦争によって離れ離れになる恋人のストーリーは 辛いですね。

先日観た「シング・ア・ソング!」も夫が戦場に行き
残された妻たちが活躍する物語でしたが
こちらも。

お嬢様育ちで ピアノを弾くだけしか出来ないエイダ(ニコール・キッドマン)が
戦場に行ってしまった愛するインマン(ジュード・ロウ)への手紙で募る想いをしたため
彼女の想いに応える一心で脱走兵となり
故郷コールドマウンテンで待つ彼女の元に向かう。
南北戦争時の脱走兵は 厳罰が待っています。
それを知りながらも 愛のために再会を願うストーリー。
この時代の南部の酷い有り様は「ニュートン・ナイト」でもよく描かれていました。

エイダは愛する人を ただ待つだけではなく
ルビー(レネー・ゼルウィガー)と出会った事で たくましく生き抜く術を身につけていく。

初めて結ばれた時に インマンからの贈り物があった事が
エイダにとってどれほど救われたか···
こんな純愛をしたのなら 永遠でしょう。
彼女はもう 他の誰とも結婚はしないと思う。

服を脱ぐのを見られるのが恥ずかしいから
「後ろを向いて」と彼女は言ったけど
「イヤだ 見ていたい」にきゅんときた。
やっと結ばれた時は 泣けてきちゃった。

この作品 脇役のストーリーも よく描かれていて
ナタリー・ポートマンも出演してるのよね。
彼女の夫の居ない孤独な寂しさを 手を重ねる表現で表したり
楽器を奏でるルビーの父親との関係も。
フィリップ・シーモア・ホフマンも牧師役で出演していて
便意を催した時の「ハレルヤ!」が印象に残る(笑)

エイダとインマンの儚い恋物語がメインではあるけれど
それだけでは終わらない。
戦争で残された者たちの辛い現状と
女性が強く生き抜く姿がたくましく描かれている。
長尺ではあるけれど サイドストーリーにも手を抜いてなく
作者が伝えたいであろう哀しみを背負った多くの者たちが
置き去りにされる事なく響いてくる。
丁寧な作りの見応えのある作品でした。
mii

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