シミステツ

東京画のシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

東京画(1985年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

小津安二郎へのリスペクト。

電車、桜の風景、広告、パチンコ。ゴルフ好きな日本人。食品サンプルの制作風景。ヴェンダースみがあるものの、80年代・東京の風俗を知る良い史料でもある。
あるがままの人々を切り取っているので撮影許諾とかどこまで取ってるのだろうと気になってしまった。

パチンコは催眠状態と奇妙な幸福感。タモリ倶楽部を切り取っているのはさすが。笠智衆の話は興味深い。歳は1つしか違わないけど先生と生徒、親父と息子の関係。よくダメ出しされて20回撮り直すなどもあったという。偶然に任せずに意図することを正確に撮る小津安二郎。自分を忘れ白紙にするすべを学んだという。小津の考えにどう近づけるか。それが唯一の心構え。小津は50mmで撮ってたんだね。後期作品は固定カットが多く、寄りの時はあおり気味になるのを嫌って台座で底上げするというアングルの作り方が面白い。映像の一つひとつの秒数を正確に測定していたという小津特製のストップウォッチや脚本も貴重な品。

めちゃくちゃのび太ファッションの野球少年よかったな。