procer

ダークナイトのprocerのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
3.8
 前作でもかなりのこだわりをみせたクリストファー・ノーラン監督が、さらにこだわりを見せたといえる作品ではないでしょうか。まずこういった映画では初であるI-MAXカメラでの撮影。一抱えもある大きなフィルムで、超高精細な映像を撮影することが出来るのです。このカメラで撮る意味は?その疑問は事前に知っておくことをお勧めします。本作ではCGはほとんど使わず、本物で撮影をしています。つまり・・・ターミネーター3でも絶賛された、このCG全盛期の映画界において、高精細カメラを使用して本物志向で撮影されたものだからです。(あのシーンも、このシーンも・・・実物だというのは、BDなら特典映像で観ることができました)そういった側面からもこの作品のすごさがわかりますが、うならされるのは本作の内容そのものです。開始早々からジョーカーとは何者なのかがわかる、非常に恐ろしいシーンからこの作品は始まります。ジョーカーを演じるヒース・レジャーは、完成前に急逝してしまったとのことですが、ティム・バートンでのジャック・ニコルソン演ずる、あまりにもはまり役のジョーカーとは一線を画した存在です。もし実在したら・・・わたしはどっちも怖いですが、ヒースのほうが怖いです。そのあたりは開始早々わかりますのでお楽しみに。相変わらず今回もテーマは明確ですばらしく、見所が満載です。今までのボンボンが苦悩するバットマンはどこへやら。人間としてのバットマンが描かれており、もはやツッコミを入れることがみっともない作品にまで昇華されています。これを演じるわれらのクリスチャン・ベールの素晴らしさと、脇を固めるゲイリー・オールドマン、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマンと、映画好きにはたまらない面々が豪華すぎる脇役となっています。
キャストだけで作品は全く別物になる。
主役ありき、
そして痛烈に感じたヴィランありき。
procer

procer