ダンボというキャラクターは知っていたが、初めてこの作品を観た。
絵本からそのまま飛び出てきたような世界観に、ミュージカル調で描かれている。
サーカスが舞台でもあるので、この作品にはテントの中の様子やたくさんの動物が登場し、動物が行進する様子がとても可愛い。
人間がゾウであるジャンボにムチを打つシーンや、ダンボが大きな耳である事を同じゾウが非難するシーンは本当に辛い。
この作品に登場するネズミのティモシーが、唯一気持ちを代弁してくれている。
耳が他のゾウよりも大きいので、失敗ばかりしてしまい、ずっとポロポロ涙を流すダンボがとても切ない。
ジャンボの鼻で揺れるダンボがとても可愛いし、途中、ゾウの残像が曲に合わせて動く場面は『ファンタジア』を思い出した。
集団の中にある、異質な存在を排除しようとする仲間意識が恐ろしいと感じたし、心ない言葉に傷つくダンボがかわいそうだった。
自分らしさを失わず、個性と協調性が融合できたら良いなと感じた、重い作品だった。