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真昼の決闘のnagashingのレビュー・感想・評価

真昼の決闘(1952年製作の映画)
4.0
とんでもない悪漢と恐れられる男がやってくるまでの80分間をリアルタイム進行で描く。いざ蓋を開けてみたらそこまで強くなかった肩すかし感はいなめないが、映画の肝はこいつが到着するまでの人間模様にあり。「ミラーを待ちながら」とでも言うべき演劇的なシチュエーションを重視した西部劇で、クライマックスのドンパチはほとんどオマケ。名指しされたならず者の凶悪さよりも、日和見の民衆の卑小な醜悪さを鋭利にえぐりだす。冒頭で友人ヅラしてた連中がことごとく保身に走る落差もえげつない。汽笛の音でつらぬかれながら登場人物を総ざらいするクロスカッティングがめちゃんこサスペンスフル。今の女と昔の女をそれぞれ演じるグレース・ケリーとケティ・フラドの見事なまでの好対照にグッとくる。
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