このレビューはネタバレを含みます
😭
2008/11/22
彼女に出会うまでの僕はこの世で誰も誕生日を祝ってくれる人などいない冴えない男だった。
(去年は違った。恋人がいた。
去年のちょうど今日出会った。
僕は誕生日に自分へ送るプレゼントを買う。
(突然現れた彼女は笑ってこっちをずっと見てくる。たくさん食べる。食い逃げ。泥棒。逃げる彼女を追ううちに自分のうちへ着いた。
「ここであいつが私の肩掴んでキスしたの。キスした。悪いやつ。私がやになったんだって。めちゃくちゃ食べるし、何しでかすか分かんないし。それに私は嫉妬深いんだって。最初はぶっても我慢してくれたのに、この頃なんだかパンチが強すぎるっていうの。乱暴すぎるんだって。もう歩く姿すら見たくないって。私の歩き方って馬鹿みたい?でしょ?いいでしょ?モデルみたいでしょ?」
(涙を浮かべて彼女は話した。
自分用に買ったプレゼントを交換した。
(目を瞑って。後ろ姿は見せたくないから。
「実は私、すごく遠い未来からきたの。今から100年も先の遠い未来から。タイムマシーンにのって。驚いた?」
(目開けてるでしょ?嘘つき。
本当に瞑ってたの?馬鹿じゃないの?
(彼女が泣いてるような気がして、自然と涙が溢れた。
(それ以来、彼女には会えなかった。なんの変哲もない中でこの日だけを待っていた。
また彼女に会えるかもしれない。
雷の中、道路の真ん中に降り立った。
(65年後の自分。
本当なら今日、彼女は来なかった。
代わりに銃を抱えたあの男がやってきた。
そのおかげでこの体だ。
1週間前に当たったロトくじで
あの事件を止めるべく、
彼女を作って送った。
「だが帰られた次元は元の次元に戻ろうと必死になる。君はいつか大きな災難に見舞われることになるだろう。だが、彼女は必ず君を守ってくれるはずだ。」
君にはきっとできるだろう、彼女に魂を吹き込むことが。
(ペットのラオル。
「おいしいラオルの鍋よ。」
辛すぎる。
(佐藤健太。最悪すぎる。
「今からあなたの村へ連れて行くわ。でもこれだけは必ず守ること。誰にあっても決して口を聞いてはダメ。」
(おばあちゃん。
後から聞いたんだけど、母親だったんだ。
歳とってから産んだから隠してたけど。
(難事件で心を痛めた未来の僕に言われ、
助けた。
彼女をすきになり始めている。
僕はあまりに君に望みすぎている。
(去年、彼女から聞いた言葉が自然と口走っていた。
彼女がいなくなり、家に帰ると、
昔飼っていた猫のラウルがいた。
(家が突然崩れ、街が崩れ
彼女が救ってくれた。
私はあなたの心を感じる。感じることができる。
(彼女を61年かけて修復した。
記憶は残っていた。
(遠い未来、彼女がサイボーグを買った。自分そっくりだったからだ。彼女の生々しい記憶を自分に写し、60年も前の亡くなった彼に会いに行った。
彼を初めてあった時から愛し始め、心の中で泣いていた。
彼がすでに60年前に死んだということが私には信じられなかった。
彼が死んだ後の世界へ向かって歩いた。
私は彼が生きていた時間に戻ってきた。
(関東大震災の直後。
私はここで生きていく。彼と一緒に。
私は感じる。彼の心を感じることができる。