爆裂BOX

ヒルズ・ハブ・アイズ2の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ヒルズ・ハブ・アイズ2(2007年製作の映画)
3.6
アレクサンドル・アジャ監督が「サランドラ」をパワーアップリメイクした傑作「ヒルズ・ハブ・アイズ」の続編です。といっても「サランドラ2」のリメイクではなく、ウェス・クレイブン監督が息子と共同でオリジナル脚本を書いた作品です。
前作の事件から軍は掃討作戦を始めるも成果は上がらず、監視装置を設置することに決め、科学者を派遣して設置作業を進めていたが、訓練途中の新兵たちが機材を届けにキャンプを訪れると誰の姿もなく、やがて襲撃が始まる…という展開で、「今度は戦争だ!」とばかりに兵士たちが食人族と戦う事になります。といっても訓練中の新兵でポンコツぞろいで何かあるとワーキャー叫んでパニクッて上官を誤射したりして地の利を活かした食人族たちに狩られていきます。正直前作のダグ一家のほうがよっぽど強いですし、前作の主役だったビーストの足元にも及んでないんじゃないですかね。
それでも前作のダグの様に初めは上官に叱られてばかりで頼りなかったナポレオンが極限状況の中で頼りがいと戦闘能力を高めていく姿や大口叩いてたクランクがパニクッた挙句にバカな最期を遂げる所は楽しいですね。クランクは直前に死んだ仲間に落ち着いて行動するように言われてたのに…ヒロイン格のアンバーちゃんは可愛かったですな。もう一人の女兵士は悲惨な事に…彼女が一番可哀想だったかな。
今回の食人族「ハデス一家」は前作の「ジュピーター一家」の兄一家という設定らしいですが、前作以上の奇形ぶりと女は攫って子どもを産む道具にする外道ぶりを披露します。というか、ボコボコの腫瘍だらけの体を利用して岩場に擬態したり長すぎる舌を出したりと人間離れが進んで完全に怪物という感じになってますね。リーダーのパパ・ハデスは米軍の掃討作戦もかいくぐるほど狡猾で機知に富んでるはずですが、終始唸ったり暴れたりしてるだけでそんな感じには見えないですね。前作のルビーの様に味方してくれる存在も出ますが、あんまり上手く活かせてたとは言えないかな。急に消えて再登場しなかったし。
ゴア描写は手首切断やアジトの惨殺死体など前作より高めになってますね。便槽に閉じ込められて死んだおっさんが一番悲惨だったなぁ…
兵士が主役という事で前作よりもアクション色強くなってるかと思いましたが、いわばやくらい炭鉱の中でどこから襲ってくるかわからない所等どちらかというとホラー色の方が強い作りになってますね。
ラストのテロップ見る限り生き残った三人もやられちゃったのかな。最後に監視してたやつに。
初見の時は何とも微妙に感じましたが、今回再鑑賞して見たら結構楽しめましたね。前作よりは落ちますが、一本のホラー映画としては中々楽しめるんじゃないでしょうか。