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キング・コングのmiーcheのレビュー・感想・評価

キング・コング(1933年製作の映画)
3.0
あまりにも古い特撮映画を今更観てしまうので正直あまり期待はしていなかったものの,コングの顔面アップの怖さはなかなかだった。

ストップモーションとモニタを駆使して当時で考え得る,可能な限りの工夫が見て取れて,アート作品を観ている様だった。

表情豊かで人間的な行動を取り入れているので,最初は怖いコングもいつしか愛着が湧いてくる不思議。

終盤のニューヨークでのシーンは,そのシチュエーションが持つ力を感じた。
人類の英知で築き上げた街を,知能のあるゴリラが軽々と登っていく様。
あの顔で窓いっぱいに,興味津々で覗いてくる恐怖。
エンパイアステートビルのてっぺんで,まるで世界を征服したかのような堂々とした出で立ち。

もし当時映画館で観ることができていたら,どれ程感情を揺さぶられただろうか。

コングの強さを見せつけるという脚本の都合のせいで,短絡的な行動を繰り返さざるを得ない人たちも結構好き。
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