あんじょーら

博奕打ち 総長賭博のあんじょーらのレビュー・感想・評価

博奕打ち 総長賭博(1968年製作の映画)
3.6
山下耕作監督     東宝     U-NEXT



2024年公開映画/2024年に観た映画  目標 36/100です。 現在は2/19


かなり前に、昭和残侠伝を見た際に、個人的には高倉健さんよりも、池部良のカッコよさにやられたわけですが、その時に師匠から、それなら総長賭博を観た方が良いですよ、とオススメして頂いたのですが、当時は配信サービスも無く、レンタルビデオにもなかなか置いていなかったので観れなかったのですが、そう言えば、と最近思い出し、U-NEXTさんで検索すると、あった!となったので観ました。流石U-NEXTさんです。


昭和9年、天竜一家総長の荒川は、弟分の仙川から右翼会の大物との会談の席で倒れます。これを機に引退する覚悟を決めたのですが、六人衆の筆頭中井(鶴田浩二)は外様を理由に断り、獄中の松田を推挙するのですが、仙波は荒川の娘婿である石戸を推してきて・・・というのが冒頭です。


うむ、久しぶりの昭和の任侠モノですが、何と言いますか役者の重みをめちゃくちゃ強く感じます。しかも、恐ろしい事なんですけれど、松田を演じる若山富三郎、御年39歳です・・・主演鶴田浩二さんは御年44歳・・・お、恐ろしいくらいの年下です・・・が、当たり前ですが、全然年下に見えません・・・


ホモサピエンスの見た目はその寿命の長さによるのではなく、あくまで私見ですけれど、責任の重さを自覚する事で、かなりの覚悟(生死を問わないくらい)を重ねた者だけが会得する、大変な重みだけが、見た目を重くすると思います。


そう言う意味で現代が軽い時代であるのは当然だと思います。それだけじゃダメなんでしょうけれど、今のうちの国に、老成の価値観を見出せる人は少ないでしょうね。赤瀬川原平さんのいう老人力、と言うモノでさえ、軽さを感じますし、そうでないと受け入れられないでしょうね・・・特に女性はそういう生き物、としておく事で、消費されているように見えます。歳を取るなら死んだ方がマシ、くらいの勢いを、女性誌からは感じます。これは1980年代に、バブルの頃からもう少し生き残りましたけれど、恋愛至上主義的な煽りと一緒だと、個人的には思います。


でも男性化粧品とかを新宿の有名デパート男性向け建物で売っているのを見ると(本当に下衆で申し訳ないのですが、新宿有名デパート男性向け建物でホモサピエンス・オブザベーションするの楽しいですよ、暇な人は是非のオススメです、そしてBL好きな人も)男性にもその波は打ち寄せてきているのですが、男性は共感という感覚が弱いので、理屈で攻めないとなかなか難しい感じがします。


閑話休題


本当に面白い映画でたった95分なのに、物凄くいろいろな事柄、しきたり、人物の葛藤、関係性の葛藤が、これでもか!とまでに詰め込まれています。


名作!オススメです。で終わりでもいい気がしますけれど、ネタバレを含む感想は、コメント欄にて。