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ポルターガイストのblacknessfallのレビュー・感想・評価

ポルターガイスト(1982年製作の映画)
3.5
ホラー映画に興味なくて、悪魔のいけにえ?フーパーって誰?みたいに人と話す時、これも監督してんだよ、て教えると、あ、それは見たことある、てなる確率が高いて意味で悪魔のいけにえとは違った意味でフーパーの代表作と言えるんじゃないかと笑

郊外の新興住宅地に一軒家を買ったフリーリング家。幸せを謳歌しようとしたその時、家から何やら不穏な怪音、一人でに動くイス、地味な怪奇現象は段々激しさを増しやがて一家の子供を襲うほどの禍々しいものに。
そんな中、次女のキャロル・アンが霊達に拐われてしまう。霊の狙いはキャロル・アンだった、その訳とは。

ポルターガイスト、呪われた家みたいな映画はこれ以前にいっぱいあったけど、最大の特徴はホラーなんだけど、徹底して健全な娯楽性、遊園地的な恐いながらも楽しい全方位向けのファミリー映画仕立てにしたことだと思う。

だから恐い演出を分りやすい痛々しさや陰湿な雰囲気を排して、アクションや豪快な破壊、そしてカラフルなライティングを駆使してアトラクション的なスリルで画面を盛り上げる。

この手法、すこぶるフーパーの作家性と相性が良くてけっこう成功してると思う。
だって悪魔のいけにえ、いけにえ2、スペースパンパイアも話が大雑把に急展開して人も事態も狂騒的になって何がなんだかよくわからないけど、呆気に取られて打ちのめされるカタルシスの傑作だし笑
ライトの使い方はスペースパンパイア的だったし、家が崩壊する中、次々不気味なのがボコボコ地中から出現するシーンのハイなノリは、いけにえ2クライマックスみたいだし。

中原昌也さんが、フーパーはディスコ的な狂騒に支配された空間作りの天才、みたいなこと言ってたけど本当にそうで、ポルターガイストも霊障映画を越えたテンションと力技でスリリングで楽しい娯楽映画に仕上げてんだよ😀

ここまではフーパーの資質によるもんだと思うんだけど、キャラの性格、話のオチというかキイになる部分はプロデューサーに回ったスピルバーグ色が強くでてると思った。

なんせ、キャロル・アンを拐った霊達に勝つには夫婦の強い愛が必須なんてことになるわけで。家族が困難に陥り、それを乗り越えることでまた家族の絆が強くなる過程をベタに撮る発想はフーパーには絶対ないからね笑(いけにえのソーヤー一家の撮り方でわかるよね😀)
それとこの家族達がいい意味でどこにでも居そうで朗らかで人が良い感じがして感情移入しやすい。これは絶対スピルバーグ色の部分だと思う。
ただ、ポルターガイスト初期段階でイスが動き回るぐらいの時、この段階でもビビり案件なのに「イスが勝手に動くだけだしぃ~無害だしぃ、おもしろいから問題ないと思ったのウフッ」て言うお母さんのノーテンキさは平均からオーバードライブしててフーパーっぽくもある笑 いずれにせよ、このセリフおもしろすぎて大好き😂

で、このVS霊達のバトルをサポートする霊媒師のおばちゃんが出てくる。
このテの映画において霊媒師とかってほとんど役立たずで終るか、見当違いなことをして事態を悪化させることが多いんだけど、このおばさんは違うんだよ笑
彼女の的確な分析と戦略のおかげで囚われたキャロル・アンの救出に成功する。
再見なので知ってるのにやっぱりビックリ感が湧くんだよな。
何故かって言うと、この霊媒師のタンジーナおばさん。全然凄腕に見えないんだよ。米良美一似の低身長に子供みたいなロリータボイスでフワフワした口調で話すし、こりゃすぐ殺られるヤツだ的な印象の塊なんだよ笑

そしてこのタンジーナおばさんがこのシリーズの最重要キャラになるなんてオンタイム時に観た時は思いもしなかったよ笑

とにかく幽霊屋敷映画だけど陽性なノリとディスコ的な陶酔が味わえる躍動感のある楽しい映画っす😀

書いてて思ったけど、唐突にバンッとなんか現れたり、人が吹っ飛ばさせたりする感じ、死霊館に似てるかも?ジェームズ・ワンに影響与えるのかも?死霊館も夫婦、家族モノだし、これ意外と当たってるんじゃないかな😬💨?
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