うにたべたい

ジャッカー電撃隊 8スーパーカー!!時速300キロのうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.4
燃える闘志と悲しみは冷たく硬いメカの中、四人のサイボーグジャッカー電撃隊の劇場版。
ジャッカー電撃隊は『秘密戦隊ゴレンジャー』の流れで制作された石ノ森章太郎原作の戦隊ヒーロー二作目です。
2023年現時点までのスーパー戦隊シリーズで唯一全員がサイボーグであるサイボーグ戦隊で、通常状態でも超パワーを持ち、自身の肉体に備わったメカニックを駆使して戦います。
敵は超先端な科学力を持った犯罪シンジケート・クライム。
クライムによって行われる組織犯罪を食い止めるため暗躍する、スパイアクションのような展開が特徴ですね。

テレビシリーズ第7話のブローアップ版で、東映まんがまつり上映作品です。
厚さ1mにも及ぶ超合金でできた金庫から宝石類を盗み出すため、国際科学特捜隊から高性能爆弾ジャッカーXをクライムに奪われる。
その場にいたものの、それを防ぐことができなかった東竜(ダイヤジャック)は、クライムからジャッカーXを奪い返すためにマッハダイヤで追いかけるストーリーです。

70年代後半のスーパーカーブームが取り入れられていて、ロータス・ヨーロッパやランボルギーニ・ミウラ、フェラーリ・512BB、ポルシェ930ターボなどのスーパーカーが多数登場、マッハダイヤとともにスーパースピードでクライムを追いかけます。
当時の子どもたちにとってかなり熱いものだったらしいスーパーカーがたくさん出てくるのですが、スーパーカー大好き少年がエンジンや排気量をいかにもな説明口調で述べ、逃げるクライムをなぜか次から次へとスーパーカーが追いかけるという謎のストーリー展開がすごくわざとらしいです。
最初はバイクで逃げていたクライムですが、途中で犯罪組織らしくスーパーカーを運転手ごと奪って逃走、公道を300km/hオーバーでかっ飛ばします。
それに負けじと追いかけるマッハダイヤもすごい、近道だと言いながらろくに舗装もされてない道を突っ走ります。
いろいろ無理を感じますが、敵の犯罪を追い詰める秘密のサイボーグチームらしさが出ている良作だと思います。

ちなみに、本作でクライムにスーパーカーを奪われるオーナー役は後に「フェラーリクラブジャパン」会長となる切替徹の客演です。
何も知らずに見ていたので、レギュラーでもないスーパーカーおじさんがいきなりクライムに回し蹴りを放って仰天しました。